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水を打ったように静まり返る私達の周りを、会場からの楽しそうな声が漏れ流れて。
会場の扉がしっかり閉まってこの騒ぎに誰も出てこないとなると、ソヒョンがうまく止めてくれているのかもしれないな、なんて。
どこか、他人事のように感じてる自分がいて。
・・・どうやら痛みを越えてしまったみたい。
さっきまでの早鐘も鳴りを潜め、自分の中に充満するのは突き付けられた事実だけ。
あまりに惨めに晒されているのに、涙すら出ない。
TH「・・・・・・、」
テテが何も言わず、押し黙るのは当然で。
全てを知るサラでさえ息を飲んで、誰も言葉を発せずにいる。
・・・ごめん。
私がちゃんと話してさえいれば、暴かれるように伝わる事はなかったのに。
今、テテがどんな顔をしているか。
どんな目付きで私を見るのかと思うと、
・・・それを知るのが何よりも、怖い。
私を見つめたままのミンジュンは‘あー、そっかー、’と笑いを堪えるように頷いて。
MJ「もしかして言ってなかったのか。まぁ、そうだよなぁ、言えないか。自分は女として欠けてます、なんてさ(笑)」
MS「おい、それ以上何か言ったら、」
TH「・・・欠けてる？」
確認するかのようにポツリ、と呟くテテの声が突き刺さる。
ほら、やっぱり隠しておきたかった。
知らないままなら傍に居られたかもしれないのに。
・・・それがただの恋愛ごっこだったとしても。
失う怖さを悟って情けなくも俯けば、
TH「・・・誰のことだよ、それ」
少し低く、でもよく通る声が静かにミンジュンと向き合うのが聞こえて。
TH「あんた、Aヌナのこと言ってるなら間違ってるよ」
MJ「・・・は？」
TH「・・・うん、わからなくていいよ。でも、俺だけはわかってるから」
話し声が止んで、ふっ、と影が出来たのに気付けばいつもの甘さを抑えた落ち着いた香りに包まれて。
TH「ヌナ、歩ける？」
「・・・テ、テテ・・・？」
TH「ごめん。先にこうしなきゃいけなかったのに」
「・・・、」
いつもと変わらないテテの話し方に、態度に。
ただ、ただ、彼を見上げれば。
TH「もう大丈夫だからね、」
‘俺がいるよ’
そう言った穏やかな声色は、
あの大きい掌が私の頭を撫でる手つきは、
私をいつものように見つめる瞳は、
・・・温かくて。
とても温かくて、じんわりと感覚が戻るかのように私を包んでくれた。
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みあも(プロフ) - こんにちは！クズ元カレと再会したシーンでは思わず泣いてしまいました。テテの包み込む優しさに涙が(;;)本当に素敵で大好きな作品です。この作品に出会えてよかったです。ありがとうございました！ (2021年6月7日 9時) (
レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高でした。所々、私自身も涙を流してしまいました。。。 感動的で時に少しHな部分もあってすごく楽しめました。ありがとうございました。 (2021年3月30日 17時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
りーりー - 早く結ばれろって毒付いてたけど(すみませーんw)好きな人＝付き合いたい人とは違うって思いました。← (2019年10月5日 7時) (レス) id: 37e0abcb10 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 長くなってしまいましたがこんな素晴らしい作品を読ませていただいて心から感謝します。これからのアウラ様の幸せを願っています！ (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 共感できるし、何より自分も子供好きだからこそ辛い事とかも…そんな寂しさから何となく男の人を求めてしまうのも、軽い関係だけで終わらせたいと思うのも。何だか自分語りみたいになってしまって申し訳ないのですが夜にギャン泣きしてしまうくらいには感動したので (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アウラ
| 作成日時：2017年11月11日 21時
