*Bonds*16

４ ページ28

翔side


・


「寝た……かな。」


……＿＿手ぇ，握ってて。


と。




自分からそう言って，俺に手を伸ばしてきた，さっきのニノの姿が，
頭をよぎった。

「っ…にの。」


変…だよ…。



甘えてくれるのは，素直に嬉しい。

だけど，その理由が，見えない。


寝ているニノの額から感じる熱は，微熱。



もしかして，この熱が，ずっと前から続いていたのだろうか。

そして，微熱が出るような理由があるのだろうか。

ストレス…過労………それとも…。





「ははっ，俺…って，にののこと，なんも知らねーじゃん。」


自分で言ってみたら，なんだか虚しくなる。



いつもより，小さく見えるニノ。

そっと見つめてから，ポツリと呟く。


「ニノ…っ，教えてくれよ……。」

「…。」

「お願いだから１人で抱え込むな………っ。」





少し，ニノの手が動いた。

そして，うっすらと目が開かれる。


その瞳の中に溜まった涙が，
部屋の電気に反射して，キラキラと光った。




「っ…しょーちゃ…。」


まるで堪えていたかのような涙が。

ポロッ


目からこぼれだして。


「しょーちゃっ…俺…ね。やだ…やなのっ。」

胸の内を吐き出すみたいに。



叫び始めた。



「やだやだやだっ…。」

知らない。

そう言い続ける理由を。


俺は知らない。

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