*Bonds*16

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和也side


・


不思議だよね。

いつもいつも，あなたに『馬鹿』って言ってばっかりで。

本当に，うるさくて，やんちゃで。


そんなあなたなのに。




なんで，こんなにも不安なんだろう。

なんで，こんなにも，あの笑顔が恋しくて仕方ないんだろうか。


コール音を聞きながら，ただ必死に願うのは，『相葉さんの無事』，ただそれだけ。



けど，中々鳴りやまないコール音に，手が震えてくる。




どうしよ…

あの人の身に，何かあったら……




プツッ


そしたら，突然コール音が途切れて。

小さな…。

本当に，小さな声がした。



『たす…け，て…。』

「っ……！」


あ，いばさん…！




小さくて，聞きづらい声でも。

ちゃんと分かるんだよ。

相葉さんの声を，何年聞いてきたか。


『誰と話してんだよ。』

『やめ…てっ。』




誰…だよ，今の声。

知らない人の声がしたかと思えば。


相葉さんの声も途切れて。




そして…


ツー，ツー，ツー




虚しく会話終了を告げる音が鳴り響く。


「探さなきゃっ。」

「相葉ちゃんがっ。」



相葉さんが危険な状態なんだってこと，すぐ分かった。

あの低い声が頭にこびり付いて離れない。


一体どこにいるの？



心で繰り返したって，もちろん返事は返ってこない。

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