ホグワーツ2度目の学生生活《秘密の部屋②》 (ページ6)

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50年前① ページ6

僕はハリーと再び顔を見合わせた。
50年前に？一体どういうことだ...？
互いに困惑し合っていると、不意に日記がパラパラを音を立て捲れ始めた。

ハ「わっ...！」

『何だ！？』

日記はあるページで不自然に止まり、そこへ新たに文字が出現する。

"6月13日"

『...6月、13日...』

僕とハリーは日記へ顔を近づける。
するとどうだろう。日記帳の中心が輝きを放ち始め、やがて本全体を覆い尽くす眩い光へと変わった。
驚いている暇もなく、そのあまりの眩しさに目を細める。

体が前へと引っ張られる感覚がした。

ハ「A？大丈夫？」

両足が固い地面に触れたと同時に、ハリーの心配げな声が聞こえる。
顔を上げると、そこはグリフィンドールの寮ではなかった。

『だ、大丈夫...。ハリーは？』

ハ「僕も大丈夫。」

辺りを見渡し、そこがホグワーツの中であることはわかった。連なる柱に彫刻、そして階段。僕たちはその階段に1人の生徒が佇んでいるのを発見し、恐る恐る近づいてみた。

ハ「すみません、何が起こったんですか？」

ハリーは階段の手すりの側に立つその生徒へ話しかける。
しかし彼はハリーの問いかけに答えることなく、その視線は上を向いていた。
まるで僕らが見えていないようだった。

ハ「...トム・リドル？」

その言葉に僕は息を飲む。
黒髪の背が高い少年。胸には監督生のバッジをつけている。
彼がトム・リドルなのか...？
もしここがあの日記に書かれた通り"50年前"だとすれば、彼の日記の中に吸い込まれたのだとすれば...。

僕は彼の視線が向けられている階段の上を見上げてみた。

『...ハリー、あれ...。』

僕に促されハリーも上へと目を向ける。
そこには沢山の人集り。そして担架を持つ4人の男。彼らは階段を下りると、そのまま僕らの脇を通り過ぎていった。
担架には純白の布がかけられている。しかし、僕は見てしまった。その布から伸びた手を、死人のように色の抜けた細い手を...。
間違いない、あれは死体だ。ハリーもそれには気付いていた。

「リドルか。」

不意に階段の上から聞こえた声に振り返る。
そこには見慣れた人物が佇んでいた。ダンブルドア校長だ。

ダ「来なさい。」

ダンブルドアがそう言うと、今まで1歩も動かなかったトムは「はい、先生」と言い階段を上り始めた。

...というか、50年前だというのに全くと言っていいほど変わってないじゃないかあの人...。

僕とハリーも彼の後に続き階段を上った。