ホグワーツ2度目の学生生活《秘密の部屋②》 (ページ5)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:3,272 hit

日記帳ページ5

その日の夜、僕はハリーと共にグリフィンドールの寮へ訪れた。
トイレで拾ったあの日記帳が気になって仕方なかったから、一緒に調べようというわけだ。
彼の部屋へと向かい、本の積まれた学習机へ日記を置く。

『やっぱり何も書かれてないな。』

ハ「うん...そうみたい。」

『何か別の用途があるのか...或いは変な魔法でもかけられているのか...謎だな。』

悩んだ末、ハリーは傍らにあった羽ペンをインクに浸し、何も書かれていない日記の1ページに一滴垂らした。
すると驚くことに、インクは紙に吸い込まれるようにじわじわと消えていった。
予想外の結果に僕とハリーは互いに顔を見合わせる。
うーん...何となく仕組みがわかったような、わからないような...。

『ハリー、今度は何か文字を書いてみてくれ。』

ハ「う、うん。」

ハリーは日記を1ページ捲り、今度は「僕の名前はハリー・ポッターです」と書き記した。
すると今度は、その文字の下にひとりでに文字が浮かび上がり始めた。

"こんにちは、ハリー・ポッター。僕はトム・リドルです。"

『......トム・リドル...。』

浮かび上がったその文字を復唱しているうちに、文字はまたもや消えてしまった。

『ハリー、ちょっと貸して。』

僕はハリーから羽ペンを受け取り、日記へ文字を書き連ねる。

『こんにちはトム・リドル。私はA・クロッカスです。この日記はどのような物なのですか？』

書き終えた途端、文字は消え再び返事が浮かび上がる。

"こんにちはA。この日記には恐ろしい記憶が記されています。覆い隠されてしまったホグワーツ魔法魔術学校で起きた出来事が。"

『...恐ろしい記憶...。』

ハ「...秘密の部屋について聞いてみよう。」

ハリーは「あなたは秘密の部屋について、何かご存知ですか？」と書き記す。
すると案の定文字はすぐに消え、達筆な字で"はい"という答えが返ってきた。
しかしハリーが続けて「教えてくれますか？」と書き込むと、文字は"いいえ"と回答した。

『え...えぇ...なんだその焦らしは...』

僕は思わずそう呟いてしまう。ハリーもなんだか僕と似たような困った顔をしていた。
羽ペンを机に置き、どうすれば良いかと互いに顔を見合わせる。
ここは一度、話題を変えてみようかと提案しようと僕は口を開いた。

しかしその瞬間、新たに文字が現れる。

"でも見せることは、できます。"

『...は？どういうことだ？』

"あなたたちを50年前にお連れしましょう。"

...50年前だって？