君のすべてになりたい (ページ7)

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可愛いところ ″ 佐々木大光ページ7

春、新学期、クラス替え。
学年が一つ上がり
新しい教室で席に着く。

ドキドキしながら隣を見ると

『ってお前かよ！』

「悪かったですねー。
てかこっちのセリフ！」

飽きる程顔を合わせてきた
向かいの家に住んでいるA。
昔からいつもこうやって
言い合いしてるんだ。

決して嫌いなわけじゃないし
可愛い所だって知っている。

例えばバレンタインデー。
「余ったから」と言いながら
毎年俺の部屋まで渡しに来る。
Aに言った事はないけど
実は楽しみにしてるんだよね。

「大光？どうしたの？
そんなボーッとしちゃって。」

『何でもねえよー！』

「まあ大光が真面目な
考え事とかしないもんね！」

『うるせー！』

周りからはよくお似合いだ、と
言われる。俺は満更でもないけど。
Aからしてみれば
俺をそんな目で見れるわけないか。

「でも大光と一緒で良かった。
…勘違いしないでよね？
面白い人いた方が楽しいから！」

慌てて教科書の整理をし始めた。
ほら、やっぱり可愛いじゃん。

いつかきっと幼馴染から昇格してやる。