君のすべてになりたい (ページ6)

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『どれにする？』

色とりどりのスイーツが並んだ
メニューを真剣に眺めている。

「 …何笑ってんの？」

『いや、可愛いな…って。』

胸に留めていた言葉が
つい溢れ出してしまった。
動揺する俺を気にせず
Aは目線をメニューに戻した。

正直に気持ちを伝えよう。
断られるやろうけど
このまま終わりたくない。

.

「ふー、美味しかった！
大ちゃんご馳走様でした。
じゃあ私向こうやから、」

『待って。』

キョトンとした顔を浮かべる
Aの腕を引き寄せた。

「大ちゃん？
どうしたん？」

『俺やっぱりAが好きや。
一年経つけど別れた事後悔してる。
…もう一回やり直せへんかな？』

沈黙が心を締め付けた。
今更遅いよな。無理やんな。
考えれば分かるか、そんなもん。

「こんな私で良かったら
…よろしくお願いします。」

『ほ、本間に？』

「私も大ちゃんしかいないなって
別れてからずっと考えてた。
勢いで別れた事後悔してたんよ。

すれ違った時に声かけようか
迷ったけど勇気が出えへんくて…
だからめっちゃ嬉しかった。」

目を細めて笑う愛おしい彼女。
また二人の日々を取り戻せるんや。

もう二度と辛い思いはさせへん。
もう二度と離しはしいひん。

『またやり直そ、二人で。』

額にチュ、と口づけて
俺らのこれからが再び始まった。