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restart ″ 西畑大吾 ページ5

すれ違った時の
香水の匂いで気付いた。
一年前に喧嘩別れした
Aや、と。


あれから全く連絡もつかず
やっと忘れかけていたのに。


『 …A、』


華奢な後ろ姿を追いかけて
トントンと肩を叩いた。
触れる事なんて久しぶりで。


ゆっくりと振り向いたAは
大きく目を見開いて驚いている。


「 大ちゃん?
久しぶりやね。」


俺はずっと未練たらたらやった。
だって喧嘩してもいつもみたいに
仲直りできると思ってたから。
好きやのに別れが来るなんて。


『 今から時間ある? 』


「 うん。」


『 お茶でもしたいな
って思って…あかん? 』


「 いいよ!
ちょうどお腹空いてたし
行きたいお店あるねん。」


並んで歩くと
付き合っていた頃を思い出す。
戻れるなら時間を巻き戻したい。
もう一度、Aとやり直したい。


「 ここ、ここ! 」


駅前に新しくオープンしたという
いかにも女子が好きそうなカフェ。


喜んでいる笑顔を見ていたら
辛かった一年前の気持ちも忘れて
まだ付き合っているんじゃないか。
そんな気持ちにもなれた。

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作者名:みるく | 作成日時:2020年4月20日 6時

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