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ずるいね、″ 中村嶺亜 ページ3
もう夜も遅いというのに
インターホンが鳴り響く。
扉を開くといつものように
Aの姿があった。
「 ねえ、れーあ聞いてよ… 」
俺の家に来る時は
決まって彼氏と何かがあった時。
今日だって表情が曇っている。
幼馴染だからって彼氏がいるのに
こんな時間によく男の家に
上がれるよね。危機感ないのかな。
「 振られちゃった。」
『 え?』
ベッドに腰掛けながら
悲しそうな笑みを浮かべた。
何故だろう。慰めてあげる事が
一番大切なはずなのに
チャンス、とさえ思えてしまう。
だって昔からずっと好きだから。
『 何かあったの?』
「 もう辛いよ… 」
隣に座って抱き寄せると
俺の腕の中で子供のように
わんわんと泣き始めた。
Aの事を幸せに出来る人が
もっと近くにいるじゃないか。
今までずっと抑えていた理性が
どうやら保てそうにないらしい。
辛そうにしているAと裏腹に
心臓の鼓動が鳴り止まない。
『 もう忘れちゃいなよ。
今は俺だけを見てて?』
そのままベッドへ倒れ込んだ。
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作者名:みるく | 作成日時:2020年4月20日 6時