君のすべてになりたい (ページ2)

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今日は急いでいたせいか
自転車をかっ飛ばすと
あっという間に
アパートの前に着いた。

「優斗？来るなら事前に
連絡してよー…って、わ！」

白いモコモコの部屋着を着た
うさぎのような可愛い彼女。
玄関でも構わず抱きしめた。

ああ、やっぱり大好きだ。

『悲しい思いさせてごめん。
大好きだし、信用してるよ？
ただ自分に自信がなくて。』

「いいよ。優斗の性格は
私がよく知ってるもん。
でもあんまり考え過ぎないで？
そんなに心配しなくて大丈夫。」

重たくて面倒な彼氏のはずなのに
Aは優しく微笑んでくれた。
もっと大切にしなきゃね。

「ちょうどお菓子作ってたんだ。
美味しく出来たら優斗の家に
届けに行こうかなーって思ってて。」

それで返事が遅かったのか。

部屋の向こうの方から
バターの良い香りが漂う。
本当に女子力高いなあ。

「そろそろ出来るし
一緒に食べよっか！」

リビングへ向かう後ろ姿を
もう一度強く抱きしめた。

『一生離さないよ？』

「もう、このメンヘラくん。
私だって一生離れないからね！
ほら早く食べようよ～。」

まだまだ俺の束縛は
緩くなりそうにないけど
Aを悲しませる事だけは
絶対にしない。そう誓った日でした。