君のすべてになりたい (ページ1)

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メンヘラ彼氏 ″ 髙橋優斗ページ1

『 …は？もう五分経つじゃん。』

Aへ送信したメッセージ。
既読はついたのに返事が来ないまま
かれこれ五分が経とうとしている。

メッセージの返信ぐらい
一、二分あれば出来るのに。

─── プルルルル

「もしもし？
どうしたの？」

『どうしたのじゃなくて
…メッセージ見た？
電話はすぐ出れるのに
なんで返信できないの？』

「ああ、ごめんね。
通知気付かなくって。」

通知が気付かない？
電話にすぐ出れるなら携帯を
触っていたんだろうし
それならメッセージも気付く。

どうせ面倒なんだろ、俺の事。

異性と話してるだけで嫌だし
複数人でも遊びに行くなんて
もってのほか。絶対許さない。

たとえ相手が芸能人だろうと
かっこいいと言うのは禁止。
携帯を見るのも当たり前だし。

「ほんとに気付かなかったの。
ごめんね？許してよ、優斗。」

『 …分かったよ。』

「もっと信用してくれても
いいじゃない。…ばいばい。」

電話が切れる直前に
Aのため息が聞こえた。
また悲しませてしまったのか。

俺の性格も好きって言ったのに
あれは嘘だったのかな。なんて
また疑ってばっかりだ。

大好きな彼女を信用していない
わけじゃない。寧ろ信用している。
でもただただ自分に自信がなくて。
縛り続ける事しか出来なかった。

『サイテーじゃん、俺。』

何だか無性に会いたくなって
家を飛び出した。