Prologue+++ ページ1
幼稚園児頃から、高校まで自分の成長とともにしてきた黒の屋根の、ライトグレーの壁でできた至って平々凡々な家。
でも生活を共にしてきた身からすればかなり慣れ親しんだ、唯一無二の存在である実家から飛び出して半年。
最初こそ一人暮らしという大それた挑戦に、汗水をたらしては拳をきつく握り、不安と疲労とが津波のように押し寄せた時期もあった。
実家から送られていた野菜が腐って冷蔵庫の中身が大変なことになったり、黒っぽいカサカサと動くあの虫が出た時にはこめかみを抑えたまま引越センターに連絡をしそうになったり。
半年という短い期間に、本当にたくさんのことがあった。
しかし、その半年経ってようやくバイトも学校も生活も慣れてきた今。
まさか、一人の絶世の美少女を拾ってしまうとは。
しかも、その美少女は、国民的アイドルのセンター……とか、こんなドラマみたいな出会いはあるだろうか。いや、ない。
しかし、俺のホークアイが捕らえている、目の前にいる女の子は、黒壇の髪をさらりと肩から垂れ流し、陶器のように洗礼されたシミも肌荒れも全くない象牙色の肌。
くりっとしている紅の瞳に、二重の瞼。頭の先から足の先まで整えられたその容姿を目の前にしては、これが夢だとか幻だとかは思えなかった。
その美少女は、フランクフルトを口いっぱいに頬張り、さくらんぼ色の唇で上品に咀嚼している。
俺が適当にコンビニで買った紙コップも、オッサンがよく手にとってコンビニの前で行儀悪く食べている串に刺さったフランクフルトも、彼女が手にとればまるで魔法のかかったマグカップのようであり、きらきらと光るキャンディーにも見えるのだから不思議なものだ。
そんな、美少女の食レポシーンを始終見ながら、俺はひっそりと頬骨をあげた。
＿＿＿＿この白雪姫のごとく、美しい少女を見かけたのは、つい数時間前のことだ。
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鎖月零(プロフ) - もっつぁれらさん» もっつぁれらさん〜〜！こちらでもコメントありがとうございます！冒頭から好きだなんて！ただの説明文ですよ？（笑）でもでもそう言ってくださって本気で嬉しいです！頑張りますね！！ (2017年10月24日 12時) (
レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - たなぱしさん» ありがとうございます！惚れただなんて嬉しいです！そのコメントで逆に私の方がたなぱしさんに惚れました(><)この文章の書き方も肯定してくださってもう本当にありがとうございます！ (2017年10月24日 11時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
もっつぁれら(プロフ) - お久し振りです！一番にコメント出来なくて悔しくて歯噛みしているもっつぁれらです！高尾君verおめでとうございます！もう冒頭から好きで好きで......。応援してます。 (2017年10月21日 20時) (レス) id: 608b38783c (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - 続編おめでとうございます！前作を読んで鎖月零さんの文章に控えめに言って惚れました…地の文多めで素敵です！応援してます！！ (2017年10月21日 17時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
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