〆7:帰り道 ページ9
「ちょっと……なにしてんスか」
その声と同時に、私の目の前にいた女の人が私から退く。
その人の腕には、女の人のものではない手がぎっちりと握られていた。
A「……?」
きょとんと女の人たちの顔をみると、その顔色はどんどん悪くなっていく。
まるで煙草を吸っているときに教師に見つかった不良みたいだ。
「リョ、リョータ……」
「なんで……っ」
と、5人の女の子たちが次々に絶望の声を漏らすと、
涙でにじませた目で私をにらんでから去っていく。
「わ、私たちなにもしてないからっ……!」
「またね、リョータ!」
A「……だ、そうですよ、黄瀬」
女子が去ったことで目の前が明るくなった私は、その場にいた黄瀬に話しかけた。
彼は私の方をちらりと見ると、大きくため息をつく。
黄瀬「……アンタねぇ……助けくらい呼んでよ」
A「……助けを呼ぶのが正解でしたか?」
黄瀬「正解とかじゃなくて……俺が来なかったら殴られてたんスよ?」
A「……いや、貴方が来なかったら私が彼女たちに頭突きをする予定でした」
黄瀬「……たくましいっスね」
A「でも、インドア派の私が5人の彼女たちに頭突きしても無謀な話だったので……わざわざ来ていただいてありがとうございます」
そういってからお辞儀をすると、
黄瀬は「まぁ、俺のせいっスから」と、まるで罪をおかした人のようにつぶやいたのだった。
・
・
A「……にしても、なぜ彼女たちは後程リスクを負うことをわかっているのに私に殴りにきたのでしょうか」
その後、まだ危ないので家まで送ってくれるという黄瀬の頼みを断れなかった私は、
黄瀬に家まで送ってもらうことになった。
私の疑問に、私の隣に歩いている黄瀬は苦笑いをする。
黄瀬「なぜ……って、フツーにライバル減らしたかったからなんじゃないっスか?」
A「……なら、なんでライバルの多い黄瀬を好きになったんでしょうね?」
黄瀬「それ、本人に言う?」
A「ライバルを増やしたくないなら、ライバルのいない方を好きになればいいのではないかと思うんです。そうすれば、争いもないじゃないですか」
その言葉に黄瀬は目を見開いてから、私を凝視する。
やはり、恋愛というのは……学ぶことが多いのだと改めて知った。
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鎖月零(プロフ) - Flower*さん» コメントありがとうございます!一章は割とラブコメしてますwあの塩しかないツン99%の琥珀ちゃん可愛いとは!変わり者ですね!?((頑張ります! (2017年6月30日 12時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 今、一章のほうを読み終わりました!めちゃくちゃ面白いです!塩対応夢主ちゃん、可愛すぎます。続きがきになりますね( *´艸`) これからも頑張ってください!! (2017年6月30日 0時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - xx00xx4280さん» ありがとうございます!伏線回収まで時間かかりそうですが、なんとかいいエンドをつづれるように頑張りますので、今後もよろしくお願いします!! (2017年4月26日 16時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - ねこ汰。さん» コメントありがとうございます!きゅ、キュンキュンしますか?うれしいです。少女漫画のノリを目指しているので!更新頑張ります! (2017年4月26日 16時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
xx00xx4280(プロフ) - お上手です!伏線を回収して上手くエンドを迎えられるようにお祈りしております。 (2017年4月9日 21時) (レス) id: ceb43f3a9d (このIDを非表示/違反報告)
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