〆32:奪えないもの ページ34
と、いうことで。
彼女を無事送り届けた後に本屋に行って、彼女の本を探した俺。
検索欄に「ZA RARE」と調べて出てきたのは肉の焼き方とか、ステーキとか、ほかにはおばさんがつけてそうなアクセサリーの本ばかりだった。(RARE=レア)
黄瀬「……やっぱ、英語勉強しよう……」
ちなみに、この時黄瀬はわかっていなかった。
彼女の言った「絶版」という意味を。(そもそも本屋で調べても無駄)
・
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次の日の、お昼休み。
今日もどこかでのんびりとご飯を食べようと、持ってきておいた原稿とお弁当を手にとって
立ち上がった時だった。
ガラ、と突然開かれる扉、
そしてズカズカと歩いてくる影。
私はその正体に驚いて、ササッと逃げるように後方に足を運ばせてから、
全身をターンさせる。
そして、勢いよく飛び出そうとした瞬間、腕をぐい、っと引っ張られた。
A「……っ!?あの、なんでしょうか…………?」
汗が頬を伝うのが感じられた。
どうやら冷静だと自負していたこの脳みそも、感情が乏しいと思っていたこの表情筋も、
やれば動かせるらしい。
なにやらおびえているようだし、頬が少しひきつっているのがわかる。
この人の噂は聞いていた。
だから、かかわりたくなかったというのが正直なところだ。
A「……灰崎」
灰崎「よォ、琥珀Aちゃん」
A「……何か、用事でも?」
灰崎「セケンバナシ。……付き合えよ」
命令、だった。
どう考えてもその悪人ヅラは「世間話」をする顔ではないし、
この人の噂は聞いている。そして、黄瀬からも話を聞いている。
「灰崎祥吾」
人のものを奪う……それが趣味だとか、なんとか
大方、黄瀬の恋人(のふりをしている?)私に興味をもって奪おうとでも考えたのだろう。
まぁ、奪えるものなら奪ってみればいい。というのが個人的意見だ。
なぜかというと、私は別に黄瀬のものでもなければ誰のものでもないため、そもそも「奪う」ということが成立しないのだ。
私に何があったところで、灰崎が私の先に見ている黄瀬は傷つかない。
A「いいですよ……屋上、行きましょうか」
そう、奪えるものなら、奪えばいい。
その前に、私が君から奪ってあげよう。
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鎖月零(プロフ) - Flower*さん» コメントありがとうございます!一章は割とラブコメしてますwあの塩しかないツン99%の琥珀ちゃん可愛いとは!変わり者ですね!?((頑張ります! (2017年6月30日 12時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 今、一章のほうを読み終わりました!めちゃくちゃ面白いです!塩対応夢主ちゃん、可愛すぎます。続きがきになりますね( *´艸`) これからも頑張ってください!! (2017年6月30日 0時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - xx00xx4280さん» ありがとうございます!伏線回収まで時間かかりそうですが、なんとかいいエンドをつづれるように頑張りますので、今後もよろしくお願いします!! (2017年4月26日 16時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - ねこ汰。さん» コメントありがとうございます!きゅ、キュンキュンしますか?うれしいです。少女漫画のノリを目指しているので!更新頑張ります! (2017年4月26日 16時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
xx00xx4280(プロフ) - お上手です!伏線を回収して上手くエンドを迎えられるようにお祈りしております。 (2017年4月9日 21時) (レス) id: ceb43f3a9d (このIDを非表示/違反報告)
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