〆12:充電切れ ページ14
Aちゃんと2時間半の電話をした後、俺はベッドに思い切りダイブした。
充電が2%の携帯電話もそれと同時にベッドに置く。
充電2%になるまで話すときなんて本当になくて。しかも女の子となんて。
いつもなら、78%の時とかに、「あ、充電やばい。じゃーね」なんて言って切るときばかりなのだ。
それが、こんなになるまで……。しかも、電話を切ると言い出したのは彼女の方だったし……。
楽しかったんだろうなぁなんて思って、枕に顔を埋めた。
黄瀬「……女子とあーして素で話すなんて、初めてかな」
独り言を小さくつぶやく。
家族以外で警戒心の欠片もなくああやって爆笑しながら話せたのは……たぶん初めてだ。
それは彼女の恋愛感覚がどこかネジが抜けているように、ズレているのが原因だが、
ズバズバいう飾り気のない言葉。……でも、小説家だからか言葉は丁寧で。
そんなところが彼女の惹かれるところなのだろう。
別に恋愛の意味では彼女のことを好きなわけではないし、
どちらかというと今のところ飲み友みたいな仲だけれど……。
黄瀬「ずっと、付き合っていたいって……心の底から思えたっスね」
これから1か月、彼女が偽とはいえ「恋人」となる日々。
なんだかとても、楽しみになってきている自分がいた。
・
・
次の日、
昨日の失態を繰り返さないようにするためにも、スタンガンと防犯ブザーをポケットに突っ込み登校した。
たぶん昨日であれなら……今日はもっとすごい嫌がらせとかありそうだし。
一応漫画や小説でいじめの種類を探して、その対応策として色々道具は持ってきている。
A「では、いじめの第一歩、靴箱を開けてみます……。個人的には生卵と害虫、画鋲を予測していますが、この予想は当たるでしょうか……」
他にも「死ね」とか「別れろ」とか書かれた手紙とか、ナマコや納豆なども考え付く。
そんなにお金をかけて手間暇かけていじめるのはもう、尊敬の域だなと思いつつ、ゆっくりと自分の下駄箱を開けた。
そこには、自分の上履きが綺麗に置かれているだけだった。
A「……あれ?」
意外な展開に思わず目を見開く。
私のいじめ対策キットはこうして……役に立たないまま一日を過ごしたのだった。
339人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鎖月零(プロフ) - Flower*さん» コメントありがとうございます!一章は割とラブコメしてますwあの塩しかないツン99%の琥珀ちゃん可愛いとは!変わり者ですね!?((頑張ります! (2017年6月30日 12時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 今、一章のほうを読み終わりました!めちゃくちゃ面白いです!塩対応夢主ちゃん、可愛すぎます。続きがきになりますね( *´艸`) これからも頑張ってください!! (2017年6月30日 0時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - xx00xx4280さん» ありがとうございます!伏線回収まで時間かかりそうですが、なんとかいいエンドをつづれるように頑張りますので、今後もよろしくお願いします!! (2017年4月26日 16時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - ねこ汰。さん» コメントありがとうございます!きゅ、キュンキュンしますか?うれしいです。少女漫画のノリを目指しているので!更新頑張ります! (2017年4月26日 16時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
xx00xx4280(プロフ) - お上手です!伏線を回収して上手くエンドを迎えられるようにお祈りしております。 (2017年4月9日 21時) (レス) id: ceb43f3a9d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ