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「……俺からはこれだ」
『……お財布、ですか?』
レオナさんから受け取ったのは、革製のお財布。
長いものではなくて、コンパクトなやつ。レター型、って言うんだって。
色は黒で、ボタンや入っている刺繍は金色。どこからどう見ても、かなりお高いのが見て取れた。
『……ありがとう、ございます』
「あぁ。……誕生日おめでとう、A」
レオナさんは、私の髪を一房掬って口付けを落とした。それに目を見開くと、ラギーさんが「しししっ」と笑う。
髪に口付けしたまま、レオナさんが私を真っ直ぐ見つめる。エメラルドのような瞳が細められ、口元が弧を描いた。
『……ぁ、りがとう……ござい、ます』
なんだか照れ臭くなって、反対側の髪の毛を指でくるくると弄ぶ。
そんな私の様子にレオナさんが「ふっ」と笑って、私から離れた。
ふわりと、柑橘系の香りが鼻腔をくすぐる。……レオナさんの、香水かな。
さて、次に前に出てきたのはオクタヴィネルの三人。
最初に前に出たのは、フロイドさんだった。
「はい、シロイルカちゃん。プレゼントどーぞ」
フロイドさんは、私に白い箱をどさりと渡す。
今までのプレゼントの中で一番大きなそれを慌てて受け取ると、少し重たい感覚が腕にずしりと落ちた。
開けて、開けて。と、わくわくした目でフロイドさんが私を見る。
その視線に急かされるように箱を開けると、中には靴が一足入っていた。
『……格好良い……』
「でしょー?それ、俺の好きなブランドのやつなんだけど、シロイルカちゃん絶対こう言うの持ってないだろーなって思って!」
入っていたのは、厚底のスニーカー。厚底と紐の部分が白色で、あとは黒で統一されている。
靴のサイズも、私が今履いているのとぴったりだった。
確かに、こういう靴は持っていなかったかも。
「今度さ、それ履いてどっか出掛けよ?」
『良いんですか?……是非、行きたいです!』
「約束ね。……誕生日おめでとー、シロイルカちゃん!」
笑って私を見るフロイドさんに大きく頷くと、ぎゅーっと抱きしめられた。
それに笑って、私もフロイドさんを抱き返し。数十秒ほどで満足したらしく、フロイドさんは私を離した。
その様子に「ふふっ」と笑いながら前に出てくるのは、ジェイドさん。その手にも、フロイドさんと同じような箱が。
ー ー ー ー ー ー ー ー
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さ - 夢主に恋愛感情持ってるやついるの草ァ…カリムはともかくレオナとか絶対分かっててあげてるだろ。 (2022年6月6日 23時) (レス) @page17 id: 745f3a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
麗亜 - 犬って女の子も、good booyって言うらしいです。 (2022年1月10日 17時) (レス) @page18 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - 誕生日会……最高すぎません?……素晴らしすぎて終始微笑んでるんですけど。ほかの作品も順に見てるんですが、主様。天才脳をお持ちでは無いですか?最高楽しい幸せ癒しです! (2020年11月28日 12時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
零夜(プロフ) - 鬱アニメ、某魔法少女!?!?まどマギですか!?!?!(覚えてない) (2020年11月27日 0時) (レス) id: be63cd896a (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - チーズ鍋さん» ありがとうございます!! (2020年11月22日 23時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年10月23日 0時