81 九代目 ページ37
「…………え……こ、この人…九代目……！？」
「そんな…なぜここに！？」
「おじいちゃんっ！！」
リボーンが救急箱を持って九代目に駆け寄る。九代目をおじいちゃんと悲痛な声で呼んだ香織ちゃんや、驚き絶望しきったツナとは真逆に、XANXUSさんは最っ高に悪い笑みを浮かべていた。うっわコワァ。
「どーしてじゃねーだろ！てめーが九代目を手にかけたんだぞ」
「オ……オレが……？」
棘のある言葉で、ツナを更なる絶望へと追いつめていく。優しい彼のことだから、その言葉で心は罪悪が埋まっていく。
リボーンは九代目の容態を見て、一つ舌打ちをして焦っているような、悔しそうな…いつも冷静なはずのリボーンがそんな顔をするほどの、緊急事態なのだ。
私もその深すぎる傷に、思わず手に力を込めた。
「やべーな、応急処置でなんとかなる傷じゃねえ」
「そんな…！」
XANXUSさんは、続ける。
「誰だ？じじぃを容赦なくぶん殴ったのは。誰だぁ？モスカごとじじぃを真っ二つに焼き切ってたのはよぉ」
「オレが……九代目を……」
「………ちがう………悪いのは……私だ……」
ツナの心が折れかけたその時、九代目が浅い息を繰り返しながらツナに声をかけた。
「やっと会えたね…綱吉くん、香織ちゃん」
「「！！」」
懐かしそうに二人を見る九代目は、相変わらず優しい目をしていた。
「すまない…こうなったのは全て私の弱さ故…XANXUSを永い眠りから目覚めさせてしまった……」
………思い出すのは、紙面上の悲劇。そんな悲劇を漫画だと軽視していた、元“読者”の私は…申し訳なくなった。
「眠りとはどーいうことだ？XANXUSは揺りかごの後ファミリーを抜けボンゴレの厳重な監視下に置かれたはずだぞ」
「ゆりかご…？」
「八年前起きたボンゴレ至上最大のクーデターのことだ。反乱軍の首謀者が九代目の息子XANXUSであるという恐ろしい事実は機密扱いされ、知るのは上層部とこの時戦ったボンゴレの超精鋭のみだがな……」
「XANXUSは…八年間止まったままだったのだ…あの時のまま眠り続けていたのだよ…恐ろしい程の怒りと執念を増幅させて……」
………XANXUSさんはさっきまで機嫌良さげだったが、今ので一気に機嫌悪くなっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 204人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゃけ(プロフ) - アッこれ2年も動いてないんですね……続編に進んでみたものの、続きがないからこれ以上は読みたくないという気持ちがあって本当もったいないです…… (2020年5月26日 20時) (
レス) id: 9cd1e2c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - 桜さん» お久しぶりです、いつもコメントありがとうございます！相変わらずの更新ペースですが頑張ります… (2018年1月25日 0時) (レス) id: 6beedd7056 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - お久しぶりです！ 霧戦終わりましたね。残るはあの守護者戦。どうなるかドキドキです！ 無理せず自分ペースで更新してくださいね。待ってます！ (2018年1月24日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - 桜さん» 更新遅れてしまってすみません…あとありがとうございます！絡みを考えるのが一番楽しいです (2017年10月7日 22時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 待ってましたー！ 本当に一話ごとで笑ってますｗ ボスとの絡みが楽しいですね！ これからも応援してます！ (2017年10月7日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サトー | 作成日時：2017年4月6日 10時
