【d!】ひとつ屋根の (ページ7)

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帰ってからする事と言えば、料理くらいだろうか。
大学の都合によって早く帰れた日なんかは、軽くおやつでも作って、1人の時間を楽しんでたりする。
生憎、友達はいるものの、大所帯の世話をするのに遊んでられないため、友達と過ごす時間はそう多くない。

寂しいかと言われれば寂しいが、私は彼らがいれば毎日が楽しい。

.....かどうかはさておき。

今日も1人でおやつタイムを堪能していた時、珍しくガチャリとドアが開いた。

｢おう。｣
『よっ』

ドアのすりガラス越しに見えた緑を察し、咄嗟におやつを隠したが、彼は私の手元をじっと見て目を離さない。

『ははは、おやつなんて持ってませんよ〜』
｢ん、おやつ？おやつってなんや。｣

あれ、どうやら私の読みは外れたようだ。

『バレたのかと思って自白しちゃったじゃんゾムくんのばか。』
｢何やおやつって、出してみ。｣

膝上に隠し置いたクッキーの皿をテーブルに出すと、彼はそれを1枚とって一口でぱくりと平らげた。

｢うん、やっぱAの作ったやつが1番美味いな。｣

恐れ多い、この家で1番料理が上手いのはトントンさんなのに。

｢あのさ、昼休憩終わり、図書館おった？｣
『ん？あぁ、いたよ。なんで？』
｢いや、見かけた。｣

あぁ、と納得したが、よく考えてみれば、彼三限あった筈なのでは？

『もしかして三限サボってたな？』
｢それはもう眠くて眠くて｣
『ダメじゃん。』

サボり癖のある彼らの世話なんか、全ては見てられない。