【d!】ひとつ屋根の (ページ4)

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事の経緯を話そう。

まず第一に彼、グルッペンさんは良いとこのお坊ちゃん(らしい)のだ。

親が彼に甘く、欲しいと願ったものは何でも与えたそう。
この大きな家も、理由は問わず買い与えたとか。

そんな彼に出会ったのは、私が高校1年生の頃。
実家を出て此方の高校に通うために
家賃がめちゃくちゃ安い木造アパートで一人暮らしをしていた。
のだが、ある住人がガスの元栓を締めずに家を出て、軽く爆発。
アパートが全焼した。

父や母へ心配もかけられず、暫くは友人の家を行き来していたが、とうとう限界で、野宿を覚悟していた。

そんなある夜、寝床にしようと公園のベンチに新聞を敷いている私のことを
ブランコの影からずっと見ていた変態男がいた。

お察しの通りそれがグルッペンさん。

ボーッとコチラを見ていることに気付いた私は絶叫。
彼は慌てた様子で私の口を塞いだ。
｢不審者だと思われるだろ!｣と顔を真っ青にしていたが、いや、完全に不審者だったろうが。

そんな言葉が掛けられるはずも無く、ただビクビクと震える私を見て彼はそっと手を離す。

｢すまんかった。何をしているのか気になってだな。｣

新聞を指さして首を傾げるもんだから、私は震える声で言ってやった。

『野宿です。』と。

すると彼は目を輝かせてこう言った。

｢欲しいもの、何でも与えてやる。家に来ないか。｣

そして(金に釣られた結果)今がある。