【 歌い手 】保健室 。【 センラ 】

3 日目 ページ5

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せ ｢ さっき うらたん来てはったよ ｣



どうする ? と 私を見て首を傾けるセンラ先生 。





浦田先生 。私の担任の先生 。




保健室登校になった次の日から 今まで 言葉通り 毎日 保健室に来る 。





私の体調とか メンタルが調っている日 ､


少しだけ ､ 本当に挨拶程度だけど 浦田先生とお話することがある 。





対人恐怖症の私が 少しでも拒否したり ､ 体調の優れない日 ､


私の出席だけ確認すると 会わないでそのまま帰っていく 。





1年生の途中から保健室登校になった私は ､ センラ先生と 浦田先生の配慮で ､ 2年連続で 担任の先生は浦田先生 。




とはいえ センラ先生と同じように 話せるわけでもなく ､ 残念ながら 話せなくて そのまま帰らせてしまう日が殆ど 。





今日なんかは 登校してすらいなかったから 会えなかったのだ 。






せ ｢ Aの好きにしたらええと思うよ ､ 大丈夫 ､ うらたんも怒ってへんから ｣



やめとく ? と私の顔を覗き込む先生に対して ､ 小さく頷く 。




毎回毎回 ごめんなさい ､ 浦田先生 。


私は弱いから 。どうしても勇気が出ないの 。




せ ｢ そっか ､ ゆっくり慣れればええよ ｣



そっと 頭を撫でてから ､ 白衣からスマホを取り出す 。


きっと 浦田先生に連絡するのだろう 。




｢ …… 今 浦田先生 授業中じゃ … ? ｣


｢ んふふ ､ 秘密や ! ｣




楽しそうに笑って またくしゃっと私の頭を触る 。




センラ先生も 頭を撫でるのが好きなのだろうか 。





ドキドキするから やめてほしい 。


嬉しいから やめてほしくない 。




わがまますぎる自分に嫌気がさす 。



｢ …… はぁ ｣



小さくため息を吐けば ､ そんな些細なことで センラ先生は振り向く 。




せ ｢ … なんかあったらちゃんと言うんよ ? ｣


｢ …… ありがとうございます ｣




センラ先生は信用している 。


好きとか そういうの関係なく ､ 人として 。




だけど ､ 話すつもりはない 。



頼れないわけでも ､ 信用できないわけでもない 。





だけど …… もう 私のせいで 大切な人がいなくなるのは耐えられないから 。




裏切って ､ 嘘ついてごめんね ､ センラ先生 。





せ ｢ …… ｣



センラ先生が 思い詰めたように 私のことを見ているなんて 知らなかった 。



知らないふりをした 。

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