理由 ページ8
あれ？私能力の事話したっけ？
炎を操れるのか、質問の内容より私が能力持ちってこと知ってるのにひどく驚かされた。
「…能力のこと、何で知ってるんですか？」
能力について目覚めたのは４才になって少しの頃だった。
家にあった古い石油ストーブを壊したのがきっかけ。
ただ、寒いと思って何となく力んだら爆発した。
幸い火事にはならなかったけど…。
まさか、自分が能力持ちになるとは思ってなかったから当時はかなり焦った。
けど、そんな中で志保さんは分かっていたかのように迅速に対処した。
そして幼子に言い聞かせるように私に言い続けた。
『A、気持ちを強く持ちなさい。あなたの力は使い方を誤ればとても危険だけれど人を守る事の出来る力だから。』
基本的に能力は隠して生活する。
能力によって人は傷つけない。
志保さんはこの２つを私に守らせて生活させていた。
だから、今さっき会ったばかりの火鉢さんが能力の事を知ってる筈がなかった。
恐る恐る尋ねた私の様子を察したのが、火鉢さんは私の頭を大きな手で撫でた。
志保さんのとは違う感覚に違和感を感じながらも心地がいい。
「…目を見たら分かる、お前の目は父親そっくりだからな。」
父親？父親って、何か知ってるの？
「それって……、『頭、遅くなってすんません。』
聞き返そうとしたその時、太い声が私を遮る。
「おう、随分遅かったな。んで、何処に居たんだ紅丸。」
紅丸。私は火鉢さんが声を掛けた方に首を動かした。
「うるせぇ、俺がどこに居ようが俺の勝手だ！」
そこに居たのは私が知る姿よりもかなり幼い印象を持たせる新門紅丸だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 158人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ウォールナット(プロフ) - イッヌの毛さん» コメントありがとうございます！とっても励みなります。更新頑張りますね。 (2020年10月22日 19時) (
レス) id: 566bbd72fa (このIDを非表示/違反報告)
イッヌの毛 - 面白いですね！更新楽しみにしています！ (2020年10月22日 16時) (レス) id: e2d97a71dd (このIDを非表示/違反報告)
ウォールナット(プロフ) - 外し忘れていました。教えてくださりありがとうございます。 (2020年10月9日 19時) (レス) id: 566bbd72fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ウォールナット | 作成日時：2020年10月9日 16時
