桐皇学園高校男子バスケ部の関西弁マネージャー

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桐皇学園高校は全寮制の高校である。

寮は女子寮と男子寮に分けられており、寮同士の間に食堂と入浴場が設置されている。

同時に近年の運動部の活躍によって有名になったスポーツ新設校でもある。

そのため食堂、入浴場どちらに置いても元々の収容できる人数より生徒数が上回るようになった。


つまり、めっちゃくっちゃ混む。

午後８時半を回った食堂では夕食を食べようとする生徒で溢れかえっていた。

我先にと食事を取る生徒達。

その中でAは人の波に押され動けなくなっていた。

『(やってしもたな、完全にドツボにはまった。)』

『(普段やったらこうはならんのに。)』

運動部が多い桐皇は部活が終わったら、まずほとんどの生徒が汗を流しに入浴場に行く。

その後に食堂で夕食を食べる。

元来の性質で待つのが好きでないAはこの時逆の動きをする事でピークを逃れていた。

もちろん、今日もそのつもりだった。

しかし、いつもなら７時終わるはずの練習が伸び終わってみたら７時半になり後片付けなどの作業をしていたら８時に。

そして今の状態に。

『(これ、消灯までに食べれるやろか。)』

Aは夕飯抜きを覚悟した。



あの後、Aは何とか覚悟した夕飯抜き免れた。

時計の短針は９時を指していた。

『うわッ、早う帰ってメニュー考えな。』

夕食に予想外の時間をかけた事に気づき、急ぎ足で自室に戻ろうとした時だった。

「新木、話があるんだ。」

女子寮に向けて歩き出したAの肩が叩かれた。

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