桐皇学園高校男子バスケ部の関西弁マネージャー

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『あんたらヘボいわ、ヘボすぎるわ。』

今「はぁ？藪から棒に好き勝手言うなや。」

『あんたもや、ホンマに特待で入ったん？裏口入学疑うで。』

桜は完全に散り、景色が緑色になった頃。

バスケ部ではすっかり通例の口喧嘩は他の部活にも目撃されるようになった。

そして今日も2人の口喧嘩は絶えない。


１年は体力作りを表した外周走り込みを主将から命じられ、マネージャーのAはその見張りという流れで練習が始まった。

4月からの扱きで体力の付いてきた１年は前半30分はまだ笑っていられた。

しかし、それが１時間経つ頃には笑いなど消え失せ辺りは地獄絵に変わった。

特に酷かったのは一般枠からの未経験者達だ。

死相が浮かべ、足をがむしゃらに動かす彼らを見かねた今吉を含んだ特待組が声かけをした。

そうしてノルマ30周を走り終わる頃にはと日が沈んでいた。

午後一番から5、6時間ぶっ通しで走り続いた１年はこの時ばかりはマネージャーAの労いの言葉があるだろうと思った。

１年の中での日頃の認識は基本的に新木は喧嘩相手の今吉を筆頭に人を誉めない、労わない。

それどころか扱かれ虫の息となった１年、つまりは同級生に平然と阿呆だの呆けだのと凶器のように鋭い言葉を投げる。

だからこそ、今回ばかりは皆期待した。

けれど、その期待は先の言葉によりあっさりと裏切られた。

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