私の主役は私じゃない？

No.5 お呼びじゃない ページ7

全員の部屋を回ろうとしましたが、あの二人以外もぬけの殻でした。自室での思考時間がいけなかったんか畜生。寝起きボイスコンプしたかった。

「ちょっと」
『ん？』

目の前に立ちふさがる一人の女性。誰だ？と、ここで記録発動。

「あんた私の部屋来なかったでしょう」

そして敵と認知。こいつだ。諸悪の根源

『はなみ様』

記録の中のこいつはいつも嘲笑ってる。この身体の子を見下し、辱め、陥れながら嗤う。

普通にしてればそこそこの顔の人間(私には遠く及ばねぇが。)なのだが、性格の悪さが滲み出てる。悪役顔といったらわかりやすいか。

「なに？寝ぼけてるの？使えないのはいつものことだけど、自分の仕事くらいしっかりやってよ」

悪役がど正論ぶちまけてんの草。

「私の部屋の、いつも通りにしといてね。あんたと違って暇じゃないのよ」

意味が汲み取れず記録を遡ってると、彼女は私を通り過ぎどこかに行ってしまう。

いや要件くらい言ってくれないか。自分の仕事以外のことはしたくないんたが。

しかし何だろう。部屋に行ってやることって掃除くらいしかないよな。部屋の清掃は私の分担じゃなかった筈。

問と答えと新たな問を繰り返しながら彼女が消えてった廊下をじっと眺めてると

sha「邪魔なんやけど」
『！』

今の爽やかイケメンボイスは！

『おはようございます、シャオロン様』

こんな唐突な出会いイベントでも挨拶を返せる私。これはできる女。

sha「のけ」

ニット帽を被り真ん中わけの前髪が溢れ出てる。そっちのキャラメイクなんですね最高好き。でも異世界の方のメスも大好きですよ。

『失礼いたしました』

脳内爆発しながらも優秀な表情筋班の活躍により真顔を保ちながら端に下がる。シャオロンはこっちを怪しげに見ながらも歩き出す。

今から狂気山脈でも登るんですか？あれめっちゃいいよな全員のキャラ深くて魅力的でなにより手記で泣かなかった国民はいない。

『そういや何しようとしてたんだっけか』

忘れた。まぁいいか。自分の仕事は覚えてるし。何か頼まれた気がしたけどどっか吹き飛んだわ。

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