私の主役は私じゃない？

No.40 女も度胸 ページ43

絶対安静だからね！腕も足も怪我してるんだから！

と言われたので部屋のベットでゴロゴロしてます。暇です。暇なの嫌いです。いついかなるときでも止まるんじゃねぇぞ精神だから。これって何のネタだったか。

コンコン

『ん？はいどうぞ』

騒ぎを聞きつけた友人かな。入室を許可する。すると

ci「邪魔するで」
『！？』

びっくりして身体を起こす。チーノくんは寝ててもええでと言うがいまスカートなのでだめです。パンツ見える。

『何かごよ・・う？』

チーノくんは中に入りベットに腰掛け、私の右腕を見る。右腕の現状はというと、包帯ぐるぐる巻になっているだけ。あと擦れると痛いので今の服はノースリーブの服です。

ci「痛いやろ」
『今は痛くないですよ』
ci「ほんまか？」

眼鏡の奥がきらりと光る。え、と嫌な予感が口から漏れ

『いだだだだだだだだ！！！』

チーノくんは右腕の傷を爪で軽く撫でる。塗ってはいないがくっついてもないので普通に痛い。

『何しやがるんですか！？』
ci「おっ、素が出た」

嬉しそうに笑いやがって畜生！なんだその可愛い笑顔！許すに決まってるんだよなぁ。推しが何しても許しちゃう人間だからね。

チーノくんは私の右腕から手を離し、髪を一房掬い、上目遣いで


ci「俺あんたのほうが好きやで」
『そうやって何人女落としてきたんですか』
ci「俺一筋なんやけど・・」

真面目だもんね。しょんぼりとするチーノくんの頭撫でたいんだが撫でるどころじゃすまないので我慢。

ci「そんな大先生みたいなキャラに見える？」
ut「俺が何やって？チーノォ」

ねっとりした声に、チーノくんがやべ、と振り返る。ドアには寄りかかってる大先生。

『欝様』
ut「堅苦しいなぁ。僕のことは大先生とかでいいんやで」
『メイドの身ですので、そういうわけには参りません』
ut「食堂の子と同一人物だと思えへんな」

大先生はチーノくんとは反対のベットの縁に腰掛ける。もしかして私新旧詐欺師に挟まれてる？いくら振り込めばいいんだろう。現ナマでもいいですかね。

ut「もー、女の子が自分を傷つけてどうすんの」

大先生は眉をひそめ、痛々しそうに右腕を見る。

ci「なぁこれ、あと残るん？」
『残るんじゃないですかね。というか残んなかったらもう一回やりますよ』

チーノくんが青ざめる。なんだなんだ、女性の月一の痛みに比べればこんなもの

ut「その度胸別のところで生かして！」





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