家政婦に転職しました【灰谷蘭】

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パーカーのフードを深く被っている灰谷蘭。
あの例の三つ編みがちょこっと出てる。


コスプレイヤーさんとかじゃない。
それは一目瞭然だ。
だって、まんま…どう見ても本人だもん。



蘭「ふふっ。いいリアクション。」


『あ、あの…っ！はっ！！はいたn…んぐっ！！』


蘭「大きな声出したらバレるからやめてね？笑」



あわあわしてる私の口をぱふっと塞がれる。
あ、萌え袖だ…可愛い。



蘭「もう用済んだしょ。…ちょっと付き合える？」



紫色の綺麗な瞳に見下ろされながら、
私は口を塞がれたまま首を縦に振った。


店を出て、灰谷蘭が歩く後ろをついていく。
歩くの早っ。
早いというか、脚が長いから歩幅が大きいのだ。


無言で歩く彼に必死についていきながら
頭の中では色んな不安が駆け巡る。


本当についてきて良かったんだろうか。


だって、梵天だよね？
いや灰谷蘭、三つ編みだから梵天になる前！？
謎すぎる。
顔見ただけじゃ年齢も分かんなかったし。


一瞬テンション上がったけど、
好奇心がありながらも正直怖い。


考え事しながら歩いてたから、
どの道を来たかも分からなくなってしまった。


人通りが全くない裏路地みたいな道を進む。
何ここ、どこ？もう結構歩いてるけど。



『あ、あの…』


蘭「んー？」


『どこに行くんでしょうか…』


蘭「…俺らのアジト。もうすぐ着く。」



う……やはり。なんとなく、途中から
うっすらぼんやり予想はしてたこの展開。
冷静に考えたらヤバいんじゃ…。



蘭「お前の期待通りだろ？笑」


『あの、、や、やっぱり！
私、帰っちゃダメでしょうか…。』



消え入るような声で思い切って言ってみた。
言いながら、自分の体が震えていることに気付く。
期待なんてどこかに行ってしまうほどに
恐怖を感じていたのだ。



すると灰谷蘭は足を止めて、こちらに振り返る。
と同時に被ってたフードを脱ぎ頭を出した。



蘭「…なんで？」



『なんで…って、やっぱり不安になってきちゃって。
灰谷蘭が何やってる方なのか何となく知ってますけど。
現実となるとやっぱり怖いと言いますか…

あ、でも灰谷蘭と会えて嬉しかったです。』



思ったことをそのまま正直に伝えてみた。




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