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琴「おーいAたちも来なよ〜!」

と優雅に浮き輪に乗りながら
手を振る琴里

『うん!今行くー!!ほら、万次郎』

万「行くかー」

2人で立ち上がれば自然に繋がれた
君の暖かい手に

へっ?と拍子抜けた声を
漏らす

万「ぜってぇ離すなよ」

『っ…わ、分かってるよ…』

君のこれは
多分私が何かあって溺れないように

少し強めに繋がれた
女の子とは違うゴツゴツした男の子の手

特に他意はないだろうけど
こういうことされると勘違いしてしまいそうになる

圭「アイツらなんでアレで付き合ってねーの?」

琴「私もそー思う」

どきどきと鳴る心臓
照りつける太陽の熱さに
ひんやりとする海の温度

琴里と圭介の会話は
耳には聞こえていなかった

万「葵ーちょっとA頼むわ」

琴「泳ぐの?」

万「ああ、めっちゃあちーわ。場地、なんかあったら助けろよ」

圭「マイキーが溺れねぇだろ」

万「俺じゃねーよ」

コイツ、と言いたげに
指さされたのは私だった

『わたし?!』

万「ったりめーじゃん。幼稚園の時のこと忘れたのか?」

『うう…琴里の浮き輪に掴まっときます、』

ってちょっとだけしょんぼりと
しながら琴里の浮き輪に手をやった

私が泳げな理由はまさに幼稚園の頃
その日はプールの時間があって

初めてのプールにうきうきとしながら
プールに入った

でも上手く浮くことが出来ず
ましてや飲み物を飲んでいなかったのもあって

脱水症状で足がつってしまった
その感覚は今でも記憶に残っている

迫り来る水の圧力に
逃げようと藻掻く身体

急に苦しくなったのは
息をしようと口を開けてしまったから

「A!!!」

と呼ばれた気がして
気づいた時にはプールサイドだった

17→←15 浜辺の香り



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作者名:水瀬 | 作成日時:2022年9月18日 23時

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