陽【佐野万次郎】 (ページ15)

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15　浜辺の香りページ15

太陽の光がギラギラと輝く
よく晴れた横浜の浜辺

駐輪場に綺麗に並べられた
10数台のバイクは
どれも柄の悪いものばかりで

『海だああああ！』

万「ちょ、A、ヘルメット脱いで」

君に指摘されてはヘルメットを脱いで
バイクのグリップ部分に引っ掛けた

堅「おーひさびさにやっか！三ツ谷！」

隆「おー！やっか！ドラケン！！」

堅&隆「競走だああああ！」

ばしゃんと綺麗に飛び込んでいく
2人の様子を見守って

エ「あーあ行っちゃった…ほんと、こういうところはまだまだ子供ねー…」

琴「うぃーす、圭が遅れたから私も遅れて登場っ！」

圭「ばーか、水着忘れたって言って待たせたのどっちだよ」

千「あーだから遅かったんですね？」

沖の方に泳いで行った
堅くんと三ツ谷くんに呆れるエマちゃんと

遅れてやってきた琴里と圭介に
駆け寄ってくる千冬くん

武「みなさん、お疲れ様です！」

最後に来たのは
君が気に入っている後輩くん

『武道くんだー万次郎がお世話になってるみたいでごめんねー？』

武「いえ！そんなこと！マイキーくん、いつもAさんの話をしてくれ…」

万「タケミっち！！！」

武道くんと話していたら
突然に割り込んでくる君に

『万次郎、バイク停めたところから来るまで遅かったね』

万「あー、一虎が来てねぇから何してるってメッセージ送ってた」

『一虎くん、こーゆーとこめっちゃ好きそうなのに』

周りを見渡せば夏休みも真っ只中、
物の見事に一虎の大好きそうな
ギャルたちがいーっぱいる

少し遠くの方でぱーちんくんと
ぺーやんくんがなんか
アイスを売っている陽気な男の人と
絡んでるけど

傍から見たら超怖かった
私は浜辺に座る君の隣に
近寄っては

静かに腰を下ろした

『海、入らないの？』

万「A、泳げねーだろ」

『…そーだけど……』

万「ちょっとここでのんびりしよーぜ」

『…うん！』

泳げないの分かってて
それでも一緒に居てくれる君

優しいなーなんて
そんな甘い時間が流れる気がした