極彩色 ページ4
誰のことだろう。
首を傾げると、視界に映る、鮮やかな色。
紅色、常盤色、紺、銀、金。
眩しい。
頭の飾りには綺麗な石がこれでもかとジャラジャラついていて。
左目には花火のような紅色が引かれ、切れ長の目を引き立てる。
よくわからないけど、とにかく派手な「人」だった。
圧倒的オーラ。
格好だけじゃない。
体格だけでもない。
暗くて、でも明るくて、複雑な色の混ざり合った、紅色の雰囲気。
こんな色なかなかない。
不気味だ。
多分、この人は一般人じゃない。
“普通の人じゃないこと”を認識した途端。
一気に襲ってくる恐怖。
怖い。
ここどこ?
誰?
その迫力にたじろいだアリアに、彼は不敵に笑う。
「起きたみたいだな。」
早口で須磨さんに何かを指示した後、しゃがんでアリアと目線を合わせると、
「俺は、宇髄天元。」
この人か。
この人が「天元様」か。
「お前、名前は?」
天元様の迫力に押されたまま、目を逸らす。
「アリア。
アリア・ノワール・グレーシア。」
須磨さんが慌てて駆けていくのを横目に既に半泣きだ。
「ふぅん。思った通り、派手だな。」
見定めるようにのぞき込まれ、思わず震える。
怖い。
輝助けて。
あれ。
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作者名:アスパラベーコン | 作成日時:2023年12月3日 0時