【文スト】クール系少女は敦と同じ孤児院出身です！ (ページ48)

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箕｢世話になったな｣

乱｢ん？｣

箕｢それに、実力を疑って悪かった。

難事件に当たったらまた、頼む｣

乱｢僕の力が必要になったら、いつでもご用命を。

次からは割引価格で良いよ｣

箕｢そいつは助かる｣

敦｢凄かったですね、乱歩さん。まさか全部当てちゃうなんて。異能力『超推理』本当に凄いです｣

太｢私も半分くらいは判ったかな？｣

敦｢何がです？｣

太｢だからさっきの事件だよ。乱歩さんがどうやって推理したか｣

敦｢だってそれは異能力によって瞬時に分かるって｣

太｢あぁ〜、きみはまだ知らなかったか…実はね、乱歩さんは異能力者じゃないのだよ｣

敦｢はい？｣

太｢乱歩さんは、異能力者揃いの探偵社では珍しい、なんの異能力も所持しない一般人なんだ。本人は異能力を使っているつもりみたいだけどね。それにあぁ見えて乱歩さんは26歳だよ｣

敦｢え"ぇ｣

太｢探偵社の皆が乱歩さんを敬うのは、超推理が異能力じゃないと知っているからさ。

私も話には聞いていたけど、今日ハッキリと思い知らされた。

実は私ね、乱歩さんが超推理をしている間、後ろでこっそりと乱歩さんの髪の毛をつまんでいたのだよ。

知っての通り、私は触れた相手の異能力を阻害する"反"異能力者だ。

私が体の一部に触れている限り、いかなる超人異能力者とも言えども力を振るう事は出来ない。

つまり、乱歩さんの超推理は異能力じゃない｣

敦｢異能力じゃない？じゃあどうやって｣

太｢だからあれは、純粋に推理だ｣

敦｢そんな…だってあんな短い時間で犯人を当てたんですよ？そんな事がただの推理で可能ですか？｣

貴｢それなら俺も判った。杉本さん言ってただろ？

杉『偽装のためだけに遺骸に二発も撃つなんて』

でも三発撃たれてる死体を見たら誰だって三発同時に撃たれたって思うだろ？太宰さんの説明でも"胸に三発"ってな｣

敦｢あ｣

太｢つまり彼は、一発目で被害者が死んだ事を知っていたのだよ。解剖がまだなのにそれを知っているってのは？｣

敦｢犯人だけ…でも、犯行時間も当てましたよね。昨日の早朝だって｣

太｢それはねぇ、遺体の損壊は少なかったから、川を流れたのは長くて1日、昨日は火曜、平日だ。なのに遺体は化粧もしていなかった。激務で残業の多い刑事さんが平日に化粧なしとくれば、死んだのは早朝｣