歌い手達が拾った幼女は幸せそうです…＊

そらる組 ページ4

まふまふside




ぎこちない雰囲気が僕らを包む。


誰も言葉を発さない。さかたんはもう泣き目。


もうどうすれば……



る「そらるさん。」


そ「なに？」


る「俺はAちゃんと居たい」



るすくんの一言に思わず立ち上がってしまった。


そ、そらるさんがAちゃんを離す…！？そんなわけ…



ま「え、あ、え？！そらるさんAちゃんを離す気……」


そ「んなわけあるか」


さ「る、るすくん、それどう意味やねん！」


る「思った通りの反応やね」



るすくんが僕らの反応を見て爆笑している。


もうるすくん！！まじでびびるから！！


ごちゃごちゃと文句を言う僕とさかたん。



歌「はいはい、落ち着く落ち着く」



それを宥める歌詞くん。


落ち着くとまた目線を外に移す。まだ見えないけど、もう見えるのが怖くて嫌になってしまう。


天月くん達は大丈夫かな、と思ったり、どんな話してるか考えたり。


今考えたくないことは隠すように。


それでも、頭の端に出てくるのはAちゃんで、こんな俺にもあんな綺麗な笑顔を向けてくれる。


それが忘れられなくて。


不意に手に何かが零れた。はっとすると自分の頬に何かが流れているのがわかった。



さ「え、まふ！」


そ「まふまふ…」


る「まふ、泣かんで、大丈夫やで」



涙は止まらなくてさかたんが僕の背中をさすってくれる。


言葉は出ない。嗚咽だけが言葉となって消えていく。


また静かになる車。


泣きじゃくることしか出来ない無力な自分が嫌いだ。

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