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luz side
目の前に居るAちゃんは、違うみたいやな。狂ったように笑い、笑みを浮かべた。
"今度は私をアイシテ?"
っは、と息を飲んだ。胸が締め付けられた。未だににやっと笑うソイツに殴りかかりそうになりながらも握りしめた拳を抑え、俯いた。
俺が好きなAちゃんは違う。でもそれが彼女の1部なら、強く当たることも出来ない、愛することを選ぶだろう。
る「なぁ、自分の名前、言える?」
『ッ、…当たり前じゃない、』
る「へぇ、言うてみ?」
『…A。』
る「苗字はなんや?」
『………』
大事なものはちゃんと、どんな姿でも愛す。
でもな、それはAちゃんだけやねん。
Aちゃん限定なんや。
"苗字、?…し、ろか、…"
る「そっか、Aちゃんは架白。かしろやで。」
俺がそう告げると、歪む笑顔。唇をかみ締め、俯いた。少し笑っているように見えるのは気のせいだろうか。
そんな姿をじっと見つめることもなく、考える。頭をフル回転させて考える。
なぁ、お前は誰や。
ふと思い浮かぶ疑問。
___なんでそんなに苦しい顔するんや?___
そらるside
『わーい!そらるさんだー!』
病室に入った瞬間、俺の思考は停止した。あんなに苦しめたAが笑っている。何も無かったかのように。このまま誤魔化させてくれるのか?なんて甘い考えもすぐに吹き飛んだ。
『うらたさーん!!』
う「お、お、おう、…」
Aはうらたくんを"うらたさん"なんて呼んでいただろうか。Aに呼ばれたうらたくんは警戒したように目を鋭くさせた。
容姿はAだ。いや、違う。Aは目が茶色じゃない。誰かと入れ替わった?
他にどこが違う?と考える。周りを見渡せば坂田もまふまふもうらたくんもAを見つめる。思わず、頭を駆け巡る言葉は"誰?"という言葉で埋め尽くされていた。
今まで黙ってAを見つめていたるすの目付きが何かを察したように鋭くなりAに向けて言う。周りに聞こえるような大声で。
る「嘘が下手やね」
『るすくん?どーしたの?』
問いかけるAにるすが答える。その答えに俺は耳を疑った。
"お前、Aちゃんを捨てて逃げた、オトモダチやろ?"
Aに友達が居たのか…?
いや、Aに友達が居なかった理由がわからなかった。
Aが言ってたし んじゃった、友達の苗字は、確か、
"『その子ね!しろか めいっていうの!』"
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悠 - 頑張ってください! (2020年6月11日 21時) (レス) id: d1b64e1eb9 (このIDを非表示/違反報告)
海月 - この小説凄い面白くて何回も読み返してます!笑更新頑張って下さい!応援してます! (2020年2月15日 1時) (レス) id: bbc4110774 (このIDを非表示/違反報告)
恋花レンカ - すとぷりすなーなので嬉しいです!私も中学生なのですが学校で辛いことがあったため学校を休んだりします。ですがなのさんほどではないと思いますが本当に辛くて今でもたまに引きずってしまうことがあるのでなのさんは前に進んでいて凄いと思います。長文失礼しました。 (2019年12月18日 10時) (レス) id: 1d9528a5e6 (このIDを非表示/違反報告)
千春 - 夢主ちゃんがこれからどうなるのか、気になります。更新頑張ってください、楽しみにしています。 (2019年12月13日 16時) (レス) id: c6d92e4cb3 (このIDを非表示/違反報告)
のの - 面白かったです。続きが気になります。更新楽しみにしています (2019年12月3日 22時) (レス) id: ee4a1ee787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なの | 作成日時:2018年8月17日 14時