歌い手達は幼女を拾ったようです

本音 ページ39

そらるside




最近、Aが可笑しかった。



笑っても、それは心の底から笑っていないように思えた。




それはうらたくんも、歌詞太郎も同じようで、よく話していた。



話で出た結果は、溜め込んでいる、我慢し過ぎなど、俺が思っていたのと同じだった。




俺はAに辛い思いをしてほしくない。



本当の、ことを…



本音を聞きたかった。




ついに、Aの中の何かが切れた。



最初は焦った。



でもAは吐き捨てるように本音を言ってくれた。



酷く震えていて壊れてしまいそうだった。



気づいたら抱きしめていた。




そ「やっと聞けた…」



俺はそう言い、微笑んでみせた。



『そらるしゃんっ…』


そ「今は、Aにとって、普通じゃない。でも、絶対に今、この時間を普通にするから、溜め込まないで。全部、わがまま言ってよ。なんでも聞くよ。」


う「Aには、心の底から笑ってほしい。」


『あり、がとうっ…』


ま「Aちゃん、ごめんね…」



謝りながらしゅん、とするまふに坂田と天月が




さ「でも、まふのおかげで本音聞けた！ありがとう！！謝れーぃ！w」


天「坂田、感謝したいの？謝ってほしいの？w」




なんて、いつもと同じ光景が見え、


口元を緩めた。




隣を見るとすっきりとした表情をしたA。




『ふふっ！どーん！！』




勢いよく走り、坂田に突進…いや、抱きついていた。




さ「うぉっ！？なんやぁ！」


ま「さかたん、どーん！！」


天「ぷはっwまふーw坂田がつぶれるぅw」






それはいつものような光景が広がっていた。




そして久々にAが



心の底から笑っていた。




たまにはいいか、と考えて



そ「どーん。」


さ「うぉぁ！？うらさん！！助けて！！」




坂田の上に乗っているまふの上に倒れこむ。




自然とみんなが笑顔になるのがわかった。



あぁ、幸せだな。

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