散りゆく薔薇 (ページ8)

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大我side

耳に入ってきた言葉。

それは、にわかには信じられない話だった。

「一年以内に、死ぬかもしれない………？」

声に出してみる。それでも、まだそれを飲み下すことはできなかった。

北斗は、放心したかのように動かない。

「はい。ですがまだ、お若いですし、助かるかもしれません。可能性は、低いのですが……………。」

「そう、ですか。」

それ以外、言葉が出てこない。頭の中は、やけに冷静で、これからのことを考えている。

仕事はどうなるのだろうとか、メンバーや家族にどう伝えようとか、死ぬまでになにができるのだろうとか。

「それって、本当なんですよね……？」

「はい、残念ながら。」

やっと話した北斗。でも、その声はうつろで、いつもの温かさはなかった。

「俺、死ぬの………？」

やっと感情が追いついてきた。視界がぼやけてくる。

「やだ……………！」

北斗に抱きつく。

頭を撫でてくれた手は、いつもより力がなかった。

いつまでも続いていくものだと、漠然と思っていた命は、一年しかもたないと言われた。

仲間が別れていったとき、大切な人が亡くなったとき……………。

さんざん、永遠などないと知っていたはずなのに。

どうして、自分の身には起こらないと思っていたのだろう。