散りゆく薔薇 (ページ18)

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大我side

「気をつけてくださいね。」

「はい」

今日は久しぶりに外出許可をもらい、北斗とデートする。

「行こっか、大我。」

「うん。」

最近は歩くことさえもままならないようになった足。みんなで走りまわっていたあの頃が懐かしい。

車いすを押してもらいながら思う。

「きのうさぁ、ジェシーが……」

「ヤバッ(笑)」

どこというあてもなくぶらぶらと歩きながら、たわいもない話をする。

「そういや大我、」

「なに？」

「俺ね、考えたの。大我がいなくなったときのこと。」

「うん。」

驚きを覚えながらも、謎に冷静な自分。

「大我がいなくなっても……俺たちは生きているし、なによりアイドルだから。どんなに辛くても、悲しくても、生活に戻らないといけない。」

「そうだよね」

俺も、北斗が俺のせいでいつまでも塞ぎこんでほしくない。

「だけど。悲しいものは悲しい。辛いものは辛い。

いつまでも大我の面影を、この世界に探し続けるんじゃないかな。」

鼻にツンときて。

　ポツン

膝に落ちた一粒の雫。

目から溢れる熱いものをこらえることはできなかった。