元カノは郷に従わない。 ページ34
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時は経ち、Aの入社が決まってから一ヶ月後。
彼女は
否、入社が決まってから此処にいた。
「やっぱ、東京湾より太平洋っしょ」
…遡る事、一ヶ月前。
＊ ＊ ＊
「水原が消えた！？」
Aの入社試験が終了した翌日、探偵社に珍しく太宰の声が響いた。
「は、はい。電話しても出ませんし…、今になっても出社してきません」
「そんなの聞いてないんだけど…」
それもそのはず、太宰が出社したのは12時きっかりであるからだ。
しかも、この前入水した時に水没してしまった故、携帯はお釈迦になっている。
「国木田君は？」
太宰は中島に問う。
Aが行方不明になる事なんて昔はしょっちゅうあったし、なんとなく生きているという事は判っていたから焦りもなかった。
「国木田さんならそこで卵の特売セールのチラシを見てますよ」
指を差す方向には数多のチラシや広告を見ながら、手帳に色々と書き込んでいる国木田の姿があった。
「国木田くーん、水原が消えたから探してくる〜」
「そう云って、貴様は仕事をサボる気だろう」
そう、太宰の首根っこを掴み引っ張る国木田。
A行方不明騒動、五分にして解決。
結論：どうせ何処かで生きてるから自分の仕事に専念しろ。
＊ ＊ ＊
…それから一ヶ月間、探偵社は様々な事に巻き込まれていた。
暗殺者の少女を匿ったり、組合が探偵社に来たり、三社戦争が始まったり、事務員が襲われたり、双黒が一夜限りの復活したり、大規模なテロまがいな事が起きたり…etc.
数えきれない程の困難を乗り越えてきた探偵社だが、彼女だけは協力していなかった。
Aは海が目の前にある島で優雅に過ごしていた。
「Excuse me, is there a place near you where you can buy delicious juice?」
コミュ力、否、郷に入っては郷に従えという精神で彼女はこの島に来ていた。
言語が違おうが、文化が違おうが、人種が違おうが彼女には関係がなかった。
「Wait, hmm, they are selling it at that building you can see from here.」
「Really? Thank you!！」
このようにして、水原Aは米国でもこの島でも生き延びていたのだ。
だから、太宰はAがいなくなっても焦りすらしない。
心配するほど損をする人物、それが水原Aという人間である。
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太平洋のど真ん中なんて誤差です(((
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シュピーゲルアイ - 大好きです。更新待ってます。 (4月9日 21時) (
レス) @page37 id: af33028691 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 好きすぎます (2月20日 3時) (レス) @page37 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
米粉めこ - 最高です！面白すぎて腹筋こわれましたwww (12月10日 18時) (レス) @page36 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - こういうお話好きです！続き待ってます！！！ (2022年9月18日 16時) (レス) id: f16cf667ce (このIDを非表示/違反報告)
遠藤氏(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» 自分も笑ってこようって思いまして、入社試験の回を読もうと思ったらどれが入社試験の回なのかわからず、どうしてこんなサブタイにしたのか後悔してますwww (2022年7月30日 18時) (レス) id: d7905a84e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遠藤氏 | 作成日時：2020年5月13日 20時
