元カノは魔王じゃない。 ページ27
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「水原、探偵社来る?」
某日、太宰は先日云っていた『水原A探偵社入社問題』について社長の福沢諭吉に話したのだ。
答えは『連れてこい』とのこと。
なので、太宰の家で暇しているAを探偵社に向かわせることが太宰の今日の
前に数回、探偵社には足を運び色々と手助けをしたAだが、福沢とは一回もあったことはなかった。
「
Aは畳に寝転がりながら、天井をボケーっと眺めていた。
多分、脳内麻雀か脳内ポーカーでもやっているのだろう。
「...ちょっとナオミちゃんがお礼言いたいのだってさ」
「おー、いいぞ!…なっ、黒置くところもうないじゃん!」
脳内オセロだった。
* * *
「ところで太宰。ナオミちゃんはなんで我にお礼を?」
太宰は呆れた、否、再び阿呆だと判らされた。
「水原。君、芥川君と会った時にナオミちゃんという少女を抱えて探偵社に行っただろう」
覚えてないの?、と哀れみの目を向ける。
「あ〜!『ナオミ可愛すぎかよ』の子か!」
その一言で太宰の背筋は凍った。
あの日、谷崎と中島を両肩に担いだあの日、隣でナオミを横抱きするAによって作り出された悪魔の歌。
中学生の始めに習う『魔王』級に頭にこびりつくAの歌。
まいふぁーたー。まいふぁーたー。
「ナッオミはぁ〜、めっちゃべっぴん〜、可愛すぎるぅ〜」
やめてくれ、やめてくれ。
「……ほら、着いたよ」
先刻からAの言葉を未読無視していた太宰を武装探偵社は味方してくれた。
次期にナオミだけでなく、宮沢のも作りそうで怖いと太宰は探偵社の扉に手をかけた。
バンバンッ
開けようとした瞬間、中から銃声が聞こえる。
「…太宰」
「ああ」
太宰は瞬時に察した。
連れてこいと云った社長が国木田君にでも頼んでセッティングしたのだろう、と。
そして褒めようと思った。
流石にマフィアの
「もしかして、今日 誰かの誕生日だった?」
「クラッカーの音が聞こえるけど」
「…あ!もしかしてナオミか!?お礼は自身の誕生会に招待か!」
なるほど〜!、と満面の笑みを浮かべるA。
「………森さん、ちゃんと教育しろや」
太宰は静かに前言撤回した。
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シュピーゲルアイ - 大好きです。更新待ってます。 (4月9日 21時) (レス) @page37 id: af33028691 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 好きすぎます (2月20日 3時) (レス) @page37 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
米粉めこ - 最高です!面白すぎて腹筋こわれましたwww (12月10日 18時) (レス) @page36 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - こういうお話好きです!続き待ってます!!! (2022年9月18日 16時) (レス) id: f16cf667ce (このIDを非表示/違反報告)
遠藤氏(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» 自分も笑ってこようって思いまして、入社試験の回を読もうと思ったらどれが入社試験の回なのかわからず、どうしてこんなサブタイにしたのか後悔してますwww (2022年7月30日 18時) (レス) id: d7905a84e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年5月13日 20時