『永遠の刹那。』 ページ43
____________
彼と ギュッと手を繋ぎ 歩く。
その間、私達は一言も 会話することはなかった。
暫くすると、寮が見えてくる。
何時もの見慣れた風景。
「……A。」
名前を呼ばれて、黙って彼を見上げる。
太宰「……星……見ようか。」
そう云って 彼は微笑んだ。
私は それに黙って頷く。
__________
「……今日も……綺麗ですね……星…。」
屋根に上り、寝そべると 其処にはいつにも増して美しい星空が広がっていた。
静かに 瞼を閉じる。
今迄あった出来事が、走馬灯の様に 頭の中を駆け巡る。
事故に遭ったこと_______
彼に出逢ったこと______
武装探偵社の皆のこと_______
彼が私を助けてくれた事______
そして________
_______好きだと、伝えられた事__________
全てが 私の宝物。
……瞼を開ける。
「……太宰さん……。」
「……A……。」
互いに名を呼び合い、立ち上がる。
煌めく 星々の下で、私達は強く、強く 抱き合った。
別れの時が 近づく__________。
私は 彼から そっと離れる。
「……太宰さん……。私は……貴方に逢えて…本当に良かったです……。」
太宰「…………A……？」
「…今迄……黙っていて御免なさい……。貴方には……如何しても、如何しても……伝える事が出来なかった…。 きっと、真実を知ってしまったら……悲しむと思ったから……。否…私が………私が……真実から目を背けたかったんです……。」
もっと……貴方と一緒に居たかった……。
貴方と笑って居たかった…………。
身体が パラパラと鏡の欠片となって 天に昇る。
太宰「……A…………ッ！」
彼は、私のことを強く抱きしめる。
太宰「…………A……愛してる……。愛してるよ……A……。」
私も 彼を左腕でギュッと抱きしめた。
「…………私もですよ……。太宰さん……。あなたのこと愛しています……。」
「……必ず…………必ず……貴方の元へ帰ってきます…………。」
涙は、星屑の如く 煌めきながら 天に昇る。
太宰「……………その時迄……待っているから……。」
________「
そう云って 最期のキスを交わす。
蒼く光る月の下、彼の腕の中で消えてゆく_______。
刹那。それは一瞬。
一瞬が 永遠の様に感じる この瞬間。
嗚呼、人はこれを_____
『永遠の刹那』と 呼ぶのですね_________。
終わり←出逢いと別れ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Baku - 湯豆腐さん» 読んで頂き、有難うございました！続編も宜しくお願い致します！ (2016年6月10日 6時) (
レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - 泣ける…最期が切なすぎます…(泣) (2016年6月9日 23時) (レス) id: 08d6bd47da (このIDを非表示/違反報告)
Baku - さきさん» 有難う御座いました！続編もあるので 是非其方の方も読んで頂ければ幸いに存じます！ (2016年6月8日 22時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 感動しました。ついに終わってしまった…。 (2016年6月8日 22時) (レス) id: ee43672b67 (このIDを非表示/違反報告)
Baku - 作品を支えてくださった皆様、本当に有難う御座いました。続編『刹那の想い』を連載することになりましたので 其方の方も宜しくお願い致します。『刹那の想い』で検索をかけて頂ければ 出てくると思いますので、見て頂けたら幸いです。 (2016年6月7日 18時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Baku | 作成日時：2016年5月10日 21時
