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想い人。 ページ37

Side 太宰


___________



「ン〜!疲れたァ〜!」


そう云って 伸びをする彼女。


「お疲れ様。良く頑張ったね。」


私は 彼女の頭をポンポンと叩く。


A「……まだまだですよ…。太宰さんが手伝ってくれたから……。もっと 自分で出来るように頑張らないと。」


少し はにかみながら 彼女は云った。



外は ヨコハマの街灯りが輝いて 昼とは違う景色を映し出していた。



二人 並んで歩き出す。



暫くの間、黙って歩き続ける。



_______「太宰さん……。」



彼女が 徐に口を開く。


なんだい? 私が問うと、彼女は少し 聞きにくそうに 私に聞いてくる。



A「……太宰さんは…………その…す…好きな人とかって……いたりするんですか……?」



「……想い人……か…………。」



____________「いるよ。」


私は 少し間を置いてから 語り始める。


「……私の想い人は、とても頑張り屋で 何時も笑顔を絶やさない素敵な女性だ。 ………だが、それ故に 自分のことを縛り付けてしまっている……………。」


____________________


ゲホッ、ゲホッ……!


激しく咳込む彼女。


その手には、大量の血が付いていた。


「Aッ!!」


私は彼女に駆け寄る。


彼女は 私に気づくと 慌てて口元を拭き 手を隠す。 そして_________


「……太宰さんッ! 私…頑張りました……ッ!」


そう云って、満面の笑みを見せるのだ。


其れを見る度に、私の胸はズキリと痛んだ。


……そんな…無理な笑顔を作らないでくれ……。


……君が 人一倍努力していることは……私が一番 判っているから……。


笑顔を見せる彼女を 唯 抱きしめる事しか出来ない自分が 大嫌いだった…………。


___________________



私にだけは……本心を……晒け出してほしいのだよ…………。


拳を握り締め、俯く。


そんな私を 心配そうな目で見つめる彼女。


彼女の力になりたい…………。


呪縛を……解いてあげたい…………。


そう思うも、何も出来ない自分の無力さに___________



如何しようも無い気持ちになり、唯 黙って歩き続けることしか出来なかった……。



___________________



____________

2日間。→←あと、何度…。



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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Baku - 湯豆腐さん» 読んで頂き、有難うございました!続編も宜しくお願い致します! (2016年6月10日 6時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - 泣ける…最期が切なすぎます…(泣) (2016年6月9日 23時) (レス) id: 08d6bd47da (このIDを非表示/違反報告)
Baku - さきさん» 有難う御座いました!続編もあるので 是非其方の方も読んで頂ければ幸いに存じます! (2016年6月8日 22時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 感動しました。ついに終わってしまった…。 (2016年6月8日 22時) (レス) id: ee43672b67 (このIDを非表示/違反報告)
Baku - 作品を支えてくださった皆様、本当に有難う御座いました。続編『刹那の想い』を連載することになりましたので 其方の方も宜しくお願い致します。『刹那の想い』で検索をかけて頂ければ 出てくると思いますので、見て頂けたら幸いです。 (2016年6月7日 18時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Baku | 作成日時:2016年5月10日 21時

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