あと、何度…。 ページ36
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国木田「…………A……!」
事務所に入ると 国木田さんが私を見て 目を丸くする。
他の皆も 私の方を一斉に見る。
中島「(中島)さんッ!無事で何よりです!」
敦君は 私を見るなり 安堵の表情を浮かべた。
「…………本当に、皆さんには大変な迷惑をお掛けしてしまって………申し訳ありませんでした。」
私は、深々と頭を下げると ハッとして 国木田さんに云った。
「……国木田さんッ!お怪我はッ!? ……虚像が暴走して…………ッ!!」
国木田「……嗚呼…。怪我は……与謝野先生が 治療して下さった…。」
彼は そう云い 苦い顔をして、与謝野先生の方を横目で見る。
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与謝野「おやァ?珍しい患者じゃないか。」
国木田「…………。実際に体験する事になるとは………………。」
与謝野「そンなに 緊張するこたァないさ。妾が 治してやるからねェ…!」
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「……そ、そうだったんですね……。でも、御元気そうで良かったです。……本当に…申し訳ありませんでした……。」
国木田「……否。謝ることは無い。Aだって 大変だっただろう。……今日は、ゆっくり休んだ方が良い。」
国木田さんは そう云ってくれたが、私は首を横に振る。
「いえ…。皆さんと 一緒にお仕事させて下さい。………」
もう、残り少ない命。 皆と共に過ごせる時間を 大切にしたかった。
だが…。 国木田さんが 心配そうな顔をする。
「……大丈夫だよ。」
ふと 彼が口を開く。
「………私が 手伝ってあげるから。心配しないで。」
彼は 私の肩をそっと抱き寄せ、国木田さんに云った。
国木田「……そうか。無理はするなよ。」
国木田さんは それだけ云って、自分の机に向かう。
私は 彼を見上げ 「ありがとう。」と小さく呟いた。
__________ あと、何度 「ありがとう」と伝えられるだろうか。
__________その言葉を伝える度に 見せてくれる 微笑みを…………。
__________私は あと……何度………………。
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Baku - 湯豆腐さん» 読んで頂き、有難うございました!続編も宜しくお願い致します! (2016年6月10日 6時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - 泣ける…最期が切なすぎます…(泣) (2016年6月9日 23時) (レス) id: 08d6bd47da (このIDを非表示/違反報告)
Baku - さきさん» 有難う御座いました!続編もあるので 是非其方の方も読んで頂ければ幸いに存じます! (2016年6月8日 22時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 感動しました。ついに終わってしまった…。 (2016年6月8日 22時) (レス) id: ee43672b67 (このIDを非表示/違反報告)
Baku - 作品を支えてくださった皆様、本当に有難う御座いました。続編『刹那の想い』を連載することになりましたので 其方の方も宜しくお願い致します。『刹那の想い』で検索をかけて頂ければ 出てくると思いますので、見て頂けたら幸いです。 (2016年6月7日 18時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Baku | 作成日時:2016年5月10日 21時