星に願いを。 ページ34
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ふと、目を覚ます。
隣で、彼が私の手を握ったまま 眠っていた。
_______私の為に…………生きてくれ………………。
彼は 眠る私の手を取り、そう云った。
「………………太宰さん………………。」
私は 彼の手を解き 静かに部屋から出た。
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外には 満点の星空。
私は、寮の屋根に登って 空に広がる星の海を眺めた。
_________私の為に…………生きてくれ………………。
頭でこだまする 彼の声。
「私だって…………出来ることなら……貴方の為に 生きたいです………………。」
でも、其れは無理だ………………。
私に残された『時間』は、もう残り僅かだった。
屋根に寝そべり、星を見上げる。
「あ……。」
私は 小さく声を上げる。
私の目に映ったのは 星屑の中を駆け抜けていく 流星群。
わぁ… と 思わず感嘆の声を漏らす。
その一つに 私は 願いを託した。
『どうか………私が此の世から消えても……彼の傍に居られますように…………。」
其れは、此の世から消え去る者だけが知る 儚く 切ない『夢』だった。
_____________星は軌道を巡るが
_____________星よ、暗黒が何の妨げとならんや
______________至福を感じつゝ、この「時間」を貫き亘るべし
______________時間の悲しみは、もはや汝を追うこと能わず
______________汝の光は、遙か彼方にこそ相応し
______________憐憫なぞは、汝を前に罪とならん
『星の道徳』フリードリヒ・ニーチェ
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Baku - 湯豆腐さん» 読んで頂き、有難うございました!続編も宜しくお願い致します! (2016年6月10日 6時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - 泣ける…最期が切なすぎます…(泣) (2016年6月9日 23時) (レス) id: 08d6bd47da (このIDを非表示/違反報告)
Baku - さきさん» 有難う御座いました!続編もあるので 是非其方の方も読んで頂ければ幸いに存じます! (2016年6月8日 22時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 感動しました。ついに終わってしまった…。 (2016年6月8日 22時) (レス) id: ee43672b67 (このIDを非表示/違反報告)
Baku - 作品を支えてくださった皆様、本当に有難う御座いました。続編『刹那の想い』を連載することになりましたので 其方の方も宜しくお願い致します。『刹那の想い』で検索をかけて頂ければ 出てくると思いますので、見て頂けたら幸いです。 (2016年6月7日 18時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Baku | 作成日時:2016年5月10日 21時