虚像。 ページ26
Side太宰
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「くッ___________！！」
いきなり 背後から 刃物が飛んで来る。
反射的に避け、グッと身構える。
刃物は 向かいの壁に突き刺さり 太陽の光を反射させ、キラキラと輝いていた。
此れは…………鏡か……？
かすった左頬から、血が滲み出る。
「………こりゃあ マズい……。」
私の 目の前に立っていたのは______________
__________「A…………。」
左手を 血で紅く染めた、彼女……。
否…、正確に云えば 彼女の『虚像』だ。
彼女は『鏡』の異能力者。 目に映ったモノを鏡の様に 反射させることが出来る。
それには、私達 異能力者の『異能』までも反射して返すことが可能である。
そして、何より恐ろしいのは…………
彼女が『虚像』を 創り出してしまうことだ。
彼女の異能は、自分では制御しきれない大変 厄介なものだ。
マフィア時代に、彼女は一度だけ 『虚像』を創り出してしまった。
___________恐ろしかった。
何百人もの人間を 『虚像』が切り裂いてゆく。
その時 私は その光景を見て、心からそう思った。
____________
そのため、彼女の創り出す『虚像』は 私の異能 「人間失格」でないと消し去ることが出来ない。
『虚像』は、彼女の中にある「憎悪」に依って生まれる。
あの時は、鏡に引き摺り込まれることは無かった。
だが、今回は違う。
彼女の「憎悪」から生まれたものでは無い。
『虚像』自身の、彼女への「憎悪」に依るものだ。
『虚像』が彼女に「憎悪」を抱くと…………。
主である彼女は、 鏡に引き摺り込まれ、
若し、此の儘『虚像』が此処に 留まり続けたら______________。
彼女は 一生 鏡の中から出ることは出来ない。
悪夢から醒めることは無いのだ。_________________
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Baku - 湯豆腐さん» 読んで頂き、有難うございました！続編も宜しくお願い致します！ (2016年6月10日 6時) (
レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - 泣ける…最期が切なすぎます…(泣) (2016年6月9日 23時) (レス) id: 08d6bd47da (このIDを非表示/違反報告)
Baku - さきさん» 有難う御座いました！続編もあるので 是非其方の方も読んで頂ければ幸いに存じます！ (2016年6月8日 22時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 感動しました。ついに終わってしまった…。 (2016年6月8日 22時) (レス) id: ee43672b67 (このIDを非表示/違反報告)
Baku - 作品を支えてくださった皆様、本当に有難う御座いました。続編『刹那の想い』を連載することになりましたので 其方の方も宜しくお願い致します。『刹那の想い』で検索をかけて頂ければ 出てくると思いますので、見て頂けたら幸いです。 (2016年6月7日 18時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Baku | 作成日時：2016年5月10日 21時
