永遠の刹那。【太宰 治】

過去の話。 ページ3

私の名前はA。



元ポートマフィア幹部。



『元』というのは、ポートマフィアを抜けたからだ。






______あの、「太宰 治」と一緒に。





今は、病院で入院をしている。



ポートマフィアを抜けてから3年後、大きな事故に遭ったのだ。



ダンプカーに轢かれ、右腕・右脚を損傷。


右脚は、辛うじて脚を引きずる程度の後遺症で済んだが、右腕は___________









________損傷が激しく、切断せざるを得なかった。







私は、事故に遭った時のショックで、記憶をなくしている。



昏睡状態に陥っていた私が目を覚ましたのは事故が遭ってから6ヶ月後。



此処が何処なのか 自分が誰なのかすら、判らなくなっていた。



先生から話を聞き、ある程度のことは理解できた。



先生曰く、「生きているのが不思議なくらい」酷い怪我だったようだ。



後から、『私は、元ポートマフィアの幹部だった』『太宰 治という人物』を思い出した。



_______今……彼は何をしているのだろう……。



彼の顔は 靄が掛かったようにぼんやりとしていて、はっきりと思い出せない。





彼に逢いたい。





ふと、そう思い 私は車椅子を止め、ぼんやりと窓の外を眺めた。

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