こっちこそ。 ページ18
Side太宰
__________「……何時も、ありがとうございます……太宰さん……。」
そう云って彼女は 私の唇にキスを落とす。
優しい香りに包まれて、思わず理性を失いかける。
______「どういたしまして……」
ドアに向かって歩く彼女に 一言だけ そう云った。
________________
誰も居なくなった事務所。
暫くの間、ぼーッとして 天井を見つめる。
ドキドキと鳴り止まぬ鼓動。
キスを落とされた唇を そっとなぞる________。
「…………ありがとう……か…。」
どういたしまして なんて云ったけれど、寧ろ 感謝したいのは私の方だ。
身体を起こし、ゆっくりと歩き出す。
鼓動はまだ 煩いままだ。
________________
『うずまき』
皆が、ここで待っている……。
「_______こっちこそ……ありがとう………。」
そう呟いて、扉を開ける_________。
国木田「遅いぞ、太宰。何をして居った!」
「………あっ…太宰さん……。………遅いですよ……。」
そう云って、少し顔を赤くする彼女。
「……嗚呼…済まない……。」
国木田「……何だ、熱でもあるのか?顔が赤いぞ。」
……否、大丈夫。 そう云って 彼女の隣に腰をおろす。
ちらッと 彼女の顔を見る……。 すると、
彼女も同じことを考えていたらしく、目が合った。
慌てて目を逸らす二人。
何だ、お前達。 国木田君は 怪しむように二人を見る。
________本当は、気付いてる。
その言葉は、今の私達には口にすることが出来なかった。
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Baku - 湯豆腐さん» 読んで頂き、有難うございました!続編も宜しくお願い致します! (2016年6月10日 6時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - 泣ける…最期が切なすぎます…(泣) (2016年6月9日 23時) (レス) id: 08d6bd47da (このIDを非表示/違反報告)
Baku - さきさん» 有難う御座いました!続編もあるので 是非其方の方も読んで頂ければ幸いに存じます! (2016年6月8日 22時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 感動しました。ついに終わってしまった…。 (2016年6月8日 22時) (レス) id: ee43672b67 (このIDを非表示/違反報告)
Baku - 作品を支えてくださった皆様、本当に有難う御座いました。続編『刹那の想い』を連載することになりましたので 其方の方も宜しくお願い致します。『刹那の想い』で検索をかけて頂ければ 出てくると思いますので、見て頂けたら幸いです。 (2016年6月7日 18時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Baku | 作成日時:2016年5月10日 21時