此処に居るよ。 ページ12
Side 太宰
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「ふぅ……。」
気が抜けたように、息を吐いた。
其の隣で、寝息をたてて眠る 彼女。
_____「二人の強い『想い』が、互いを引き付けたんだ。」
自分で云ったことが、今更ながら恥ずかしい。
彼女は、気づいているのだろうか……。私の気持ちに…………。
胸がギュッと 締め付けられる。
私は 眠っている 彼女の頭を そっと撫でる。
「帰って来てくれて……、ありがとう……。」
そう云って、彼女の寝顔を眺める。
先刻よりも もっと、胸が苦しくなる。
「嗚呼、駄目だ……。」
これ以上 彼女を見ていたら、私が 何をするか判らない。
一旦 外の空気を吸いに行こうと 立ち上がり、玄関に向かおうとした 其の時__________
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「………………行かないで………。」
不意に、声が聞こえ 後ろを振り返る。
A「大宰さん…………、行かないで…………。」
「A……?」
彼女は、何度も何度も 私の名を呼ぶ。
ギュッと瞑る其の目からは、一筋の涙が流れていた。
A「大宰さん………。だざ…い…さん………。いかないでッ……。傍に……いて……。」
彼女は 必死に手を伸ばし 私を探す。
私は、彼女を強く抱きしめた。
「大丈夫……。A、私は 此処に居るよ……。大丈夫…。大丈夫だから……。」
嗚咽を漏らす彼女の背中を、優しく摩る。
A「……………何処にも……行かないで…」
「嗚呼……。約束するよ……。ずっと………Aの傍に居る……。」
そう云って、彼女の額に小さく キスを落とす。
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_______何処にも行ったりなんてしないさ。
_______君が……私の 最初で最後の初恋相手だ……。
_______死が……二人を分かつ迄……。
_______例え神が……二人を引き裂こうとしても……。
_______私は……神を殺してでも……君の傍に居ることを 誓うよ……。
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Baku - 湯豆腐さん» 読んで頂き、有難うございました!続編も宜しくお願い致します! (2016年6月10日 6時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - 泣ける…最期が切なすぎます…(泣) (2016年6月9日 23時) (レス) id: 08d6bd47da (このIDを非表示/違反報告)
Baku - さきさん» 有難う御座いました!続編もあるので 是非其方の方も読んで頂ければ幸いに存じます! (2016年6月8日 22時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 感動しました。ついに終わってしまった…。 (2016年6月8日 22時) (レス) id: ee43672b67 (このIDを非表示/違反報告)
Baku - 作品を支えてくださった皆様、本当に有難う御座いました。続編『刹那の想い』を連載することになりましたので 其方の方も宜しくお願い致します。『刹那の想い』で検索をかけて頂ければ 出てくると思いますので、見て頂けたら幸いです。 (2016年6月7日 18時) (レス) id: f1f76f5060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Baku | 作成日時:2016年5月10日 21時