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4話 ページ4

「おかあさん、あの人たち、なにをしているの?」




幼い彼女は母親と思われる女性に問う。




「あの人達はね、実験を行っているのよ。」




「じっけん?」




じっけんってなんだろう。




おもしろいもの?たのしいもの?うれしいもの?




「―――さん、ちょっと…」




「あ、分かりました。――ちゃん、良い子で待っててね。」




おかあさんにきこうとしたけど、じっけん?をしている人につれさられていっちゃった。




あのでっかいほそながいガラスの中に、わたしたちににただれかがいる。




それを、おかあさんとおかあさんをつれさった人が見てる。




あれが、おかあさんのしごとなんだって。




おかあさんのしていることだから、きっといいこと。わるいことなんてしてないよ。




おかあさんだから。
だってあのやさしくていつもわたしをだきしめてくれるおかあさんだから。




パリン




ガラスのわれるおとがした。




おかあさんが、でっかいほそながいガラスをたたきわった。




さいしょはなにがおこってるかぜんぜんわかんなかった。おかあさんがおこってるなんて思わないもの。




おかあさんがくるしそうにいきをしてる。




「おかあさん、おかあさん、!!」




「こっちに来るな!!!」




おかあさんがしんぱいで、かけよっただけだった。




だけど、おかあさんがすごい大きなこえでわたしをとめた。




そのこえは、まにあわなかった。




あたまになにかがあたるにぶいおとがする。




「い、た、い…」




バタッ




あれ、おかあさんをたすけようとして、…




母親が、頭から血を流した少女に駆け寄り涙を流す。




「おかあ、さん、なかないで、…」




どうしてないてるの?わたし、大丈夫だよ。




また、わたしがかいたえ、おかあさんにほめてもらうんだ。




おかあさんのおいしいごはん、またたべるんだ。




まだまだやることがたくさんあるよ。




「わたし、まだ、生きるよ、…。」




そこで少女の意識は消えた。

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作者名:十六夜家。 | 作成日時:2024年3月17日 20時

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