ようよしはいいぞって言いたかった

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:213 hit

だがよしこちゃんのかたおもいになってしまった

学年末試験だってさー。信じられる？私また赤点とるかもー。
いつものようにバス停に並んでいたら、先輩に話しかけられた。

赤点とか言って、毎回点数いいの知ってるんだけどなあ。
用事があるわけでもないし、そのまま先輩のあとをついていく。
いや、勉強しないといけないのはわかってるけど。
学年末か。この学校に来て、アイドルなんかになって、もう一年が経ってしまうんだ。
一個上って近くて、一緒にいられると思っていたけど、この人は三年生になってしまう。
卒業したら、かかわりなんてすっぱりなくなって、消えて、ちぎれて、
会わなくなっちゃうんだろうな。それが悲しくて、でも私じゃ止められないのはわかってる。

「よーしこちゃん？」
「あっはっひゃい！？」

どうしたのなんか変だよ？けらけら笑って、かわいい。
ずっと遊んでたい。
どうでもいいような話をして、普通のものを「おいしい！」なんて感動して言う先輩の横にいたい。
私だけに見せる顔を向けてほしい。
三年生の、先輩たちはもう学校に来ていない。
計画登校なんてもう学校が終わったようなものだとか。
全然実感がわかなくて、また遊んでるのか、早く部活に顔出せ、なんて気分だ。
気が付いたら一年生の授業が終わって、二年生の勉強の先取りをしている。
ついていけないわけではないけど、やる気になれないこの感じ。
明日は苦手な教科のテストだからさっさと家に帰って課題を解かないといけないのはよくよくわかっているのに、
身体は先輩の好きで、よく入り浸っているカフェに向かっている。
そこにいる保証なんてないし、仮にもテスト期間なんだからいない確率のほうが高いはずなのに。
カランコロンと私の胸も鳴って、でもその店にやっぱり先輩はいなかった。
どこかでわかってて、でも待ってれば来るかもなんてパフェなんて頼んでしまう。
もし来たら絶対「一口！」って言うから、ちょっと勿体ぶって、最後にはあげるんだけど。
課題を取り出してやり始めたけど、ちらちらドアのほうを見てしまって手につかない。頭にも入ってなくて最悪って感じ。

二時間経って、店が混み始めて、さすがに申し訳なくなって溶けたアイスクリームが底に溜まるパフェを食べた。
生ぬるくてのどに貼りつく。割り切れない、気持ち悪い。

あーあ、パフェ頼まなきゃよかったなあ。そう思いながら昼間のあったかい道を歩く。
いつの間にか半袖じゃいられなくなって、そろそろカーディガンもいらなくなるなあ。
時の流れって早い。こんな風に思いながらまた一年終わっちゃうんだろうか。
そしたら、先輩と。

「あれ？善子ちゃんじゃん」
「･･･わっ！？」

どしたの？今日一年生って二時間でしょ？私は三時間やって疲れたよー。
ああ、先輩、三時間だったんだ。
だから、来なかったんだ。来れなかったんだ。なんか、安心した。
ちょっとお話して、お腹すいたから帰るね！って。
引き止めちゃいけないって、迷惑になっちゃうって思って言えなかった。
さっきより歩調があがってる。少しでも話せてうれしかったんだなあって現金なヤツ。
多分私は、先輩が留年したら喜ぶ。さいっていなヤツ。
認めたくないけど、私は先輩が「すき」で先輩は私のこと「後輩」としか見てない。
悔しいなあ、どうしたらいいの。

まあ、今はそれでいい。あと一年しか無いなら、堕とすしかないわよね？

ホムペを作る｜感想を書く
 他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って！｜面白い！→ )