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初めまして、またはこんにちは、上杉霞音です。

歌い手グループ irnm の二次創作に手を出そうかと。
感触を確かめたくて、まずはホムペで「読み切り短編」に挑戦したいと思います。

まずは最年少lurくん。
年齢操作、ヒロイン・lurくん共に高校1年生設定です。


ご本人様には何の関係もないお話となっておりますので、ご本人様の目に触れるような行為はおやめください。

口調迷子。


続編作成しました。
このホムペの物語は、【賽】音楽室【lur】のプロローグに当たる物語になっています。


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素敵なCSSはem7様より。




私と彼 ―― りうらくんとの出会いは、4月上旬。入学式の2日後のこと。
中学まで女子校育ちだった私は男の子のいる教室に慣れず、馴染めず、昼休みなどは音楽室で時間を潰すことが多かった。

正直、これから先がとても不安。こんなところに籠ってちゃ、誰かが声をかけてくれる機会すら失われるのに。
見えない敵に追いかけられ、一方的に焦っているような感覚が、とにかく気持ち悪かった。

そんな私を救ってくれたのは、幼い頃から習っていたピアノの音。
優しくて儚い音色に、不思議と心は安らいでいた。


彼と出会ったあの日、私はボカロを弾いていた。
何を隠そう、私は生粋のボカロ好きなのだ。
当時私が触れていた " 音楽 " とはまるで違って、新鮮だと思うあまり動画を漁っていたら、いつの間にか抜けられない沼にハマっていた。
今日は私が好きなボカロPさんの、いちばん好きな楽曲。
完全耳コピだから、至らぬところばっかりだけど…。
でも弾いている時だけは、何もかもから救われる感覚に陥る。

一サビが終わろうとしていたその時。
「〜〜♪」
私のピアノに合わせるように、誰かの声が聴こえた。
ビックリして、曲の途中で思わず手を止めてしまう。

「だ、誰…?」
言うつもりのなかった言葉が、口からポロリと零れ落ちる。
声的に男の子だった…話しかけられたらどうしよう、うまく対応できないかもしれない…。
なんていう心配は、私の杞憂に終わることになる。


「あれ、止めちゃったの?」


ピアノの音が止んだ静かな教室に響く明るい声。
音楽室のドアから顔を覗かせたのは、やっぱり男の子だった。
赤く染められている髪。前髪が上げられていて、黄色のピンかゴムかで丁寧に留められていた。
私と同じ高校生なはずなのに、中学生のような幼さが残っていて、少し可愛い。
それが、彼に対する第一印象だった。

「今のって、ボカロだよね? 「ヴァンパイア」でしょ? 俺もこの曲好きなんだー」
私が対応に慌てる暇もなく、どんどん話を進めてしまう彼。
言いながら足を進めていたらしく、気が付いたら椅子に座る私の隣に立っていた。
「え、えっと…貴方もボカロ好き、なの…?」
初対面は男女に関わらず苦手だけど、ボカロ好きに悪い人はいない。と、思っている。
そのせいか、いつもよりかはスラスラと、言葉は紡がれた。

「うん、大好き」

…ボカロが、だよね。
あまりにも真っすぐな目で私を見て、満面の笑みでいうものだから、一瞬気持ちが傾きかけた。
違う違う、大好きなのは、「私」じゃなくて「ボカロ」。
何勘違いしてるの、私…。

「…って、君大丈夫? 顔赤いよ? あ、もしかして熱とか!?」
ちょっと触るね! と言って私の方に手を伸ばしてくる赤髪くん。
な、何その可愛い思考! じゃなくて、今近づかれるのは困る、かも…!
少しずつ近づいてくる赤髪くんの手から逃れるように、慌てて立ち上がった。その拍子に椅子が倒れてしまう。
「っあ、ごめ…。初対面の男に触られるとか嫌だよね…」
さっきの笑顔はどこへ行ったのやら。ちょっと、いや、かなり傷ついたような表情。
その表情に、何でか、ぎゅっと胸が締め付けられた。

「そ、そうじゃなくて…。私、その、男の子に慣れてなくて…えっと、ずっと女子校だったから…!」
事実を、まるで言い訳かのように並べてしまう。
うぅ…お互いに何も知らないまま距離ができちゃうのは嫌…!
せっかくボカロ仲間ができそうなのに…!!
「そっ、か…よかった…。出会い頭にいきなり嫌われたかと思って焦った…」
赤髪くんは、少しほほを赤く染めながら小さく笑う。
こっ、この子、いちいち可愛い…!!


「そういえば君、名前は?」
「えっ、あ、咲坂(さきさか) 伊世(いよ)です」
「じゃあ、伊世ちゃんだね。俺は赤紀(あかぎ) りうら。よろしくね、伊世ちゃん」
り、りうら…? 珍しい名前…。
「うん、よろしく。りうらくん」
なんか、この響きちょこっとだけ慣れない。

「ねぇ、伊世ちゃん?」
「えっと、どうしたの?」
「ピアノ、もう弾いてくれないの?」
私からわずかに目を逸らし。さっき私が倒してしまった椅子をもとの位置に戻してくれる。
「な、何で?」
「いや、俺伊世ちゃんのピアノ好きだなーって」
「っ!?」
「だから、良ければもっと聴かせてほしいな」
照れた様子を見せながらも真っすぐこちらを見て言ってくるもんだから、断る理由なんて浮かんでこない。
うっ…ズルい、ズルいよりうらくん…!
「じゃ、じゃあ…りうらくんも、さっきみたいに歌ってくれる…?」
聴こえたのはほんの一瞬、たったワンフレーズだけだったけど、すごく綺麗で、心地よい歌声だった。
また聴きたいな…なんて。

「うんっ、勿論!」

りうらくんの満面の笑み。
私が、初めて恋に落ちた瞬間だった。

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上杉 霞音(プロフ) - 莉久さん» ありがとうございます!頑張ります💪( ¨̮💪) (2022年6月9日 6時) (レス) id: 45bf448c7e (このIDを非表示/違反報告)
莉久(プロフ) - 尊い( ^∀^)頑張って❕ (2022年6月8日 21時) (レス) id: c0cc40a1e5 (このIDを非表示/違反報告)
上杉 霞音(プロフ) - *柑橘類*@馬鹿同盟さん» ありがとうございます…!嬉しいです!(*´ー`*)頑張ります〜! (2022年5月6日 19時) (レス) id: 45bf448c7e (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - 初コメ失礼します。可愛い……好きです……。応援してます。 (2022年5月6日 19時) (レス) id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
ハニーメロディー(プロフ) - 上杉 霞音さん» そうなんですね!!楽しみに待ってますね!無理をなさらず作者さまのペースで制作してください! (2022年3月8日 15時) (レス) id: 7de0fb3b43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:上杉霞音 | 作成日時:2022年2月25日 14時

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