「狂い咲いた、彼岸花」解説 ※本編読んでからお楽しみ下さい

さて、解説に入っていきます。


今回の主人公は召喚士のYOU、闇カムイ♂。そしてアンナさんも主要人物となっていますね。


物語全体を通してのメインの舞台は、とある廃墟。ここでYOUとその仲間たちがここに住みつくゴロツキ共ととある「取引」をする所から、物語が始まります。


この物語のテーマは「狂う」です。タイトルでも言ってますしね。そしてこの言葉の通り、YOUもカムイも狂っていきます。


タイトルになった「彼岸花」は、怖い花言葉で有名です。某鬼を滅する世界の青いやつとは関係ありません。まぁ、言わなくても分かりますよね、ぶっちゃけ文字数稼ぎです。何せ1万字もあるし・・・。


とまぁ、作者の私情は置いといて。

この「取引」で、YOUは何かを告げられ、答えが決まったらこの廃墟に来るようにと言われました。
YOUは、この日から、目に見えておかしくなるわけです。


口数が減り、物思いに耽る事が多くなりました。快活だった頃の彼女は鳴りを潜め、部屋にこもりがちになります。ここからが２話となります。


かなり思い詰めているらしく、カムイが声をかけても暫く気付きません。


彼女はカムイに、『明日は居ない』と伝えます。言ってしまうと、遠回しに失踪する、と言っているわけですね。
そして、とある質問をします。


『自分がもし突然居なくなったら、どうする？』

と。


かなり物語の核心を突く質問ですね。


これにカムイは、「探しに行くと思う」と答えます。


盛大なフラグを立てつつ、３話です。


この話、すごく短くなってしまいましたね（笑）
YOUが部屋を出て、どこかへ行くところまでです。
前話の終わりに、「誰にも察されてはいけない」と独白していた通り、誰にもバレないよう、早朝にこっそりと誰にも告げず、出発します。
戻らない覚悟らしいのですが「今日でこことお別れなのかな」と、少し寂しそうにもしています。が、それだけで覆せるほどの甘い覚悟でもないようです。
荷物も少なく、自分の身一つと、「これ」のみです。「これ」が何を示すのかは、本編でははっきりとは示されません。


そして、運命の４話。ここから物語が大きく動きます。


ゴロツキの男に言われたように、また廃墟にやってきたYOU。


男を気持ち悪く思いつつ、自分の出した「答え」を示すため、ローブを脱ぎました。


裏設定として、アンナ達に貰った、となっているこのローブ。それを脱ぐことで、「もう戻れない、戻らない」というYOUの思いを表したつもりです。


男が近づいてきた、その時―――YOUは動きました。


後ろ手に隠し持っていたブレイザブリク。ゲーム本編でも英雄を召喚する道具として活躍する銃ですが、今回は、魔力を込めると魔力弾が出せるという能力も持たせました。YOUはベルトを付けているので、ローブを脱ぎ捨てた際に引き抜いて持っていたようです。


そして、先程の「これ」とは、このブレイザブリクの事です。分かった人、居るのかな？これ・・・


そのブレイザブリクで男を殺すのか、と思った方も多いでしょう。しかし。




彼女が選んだのは、自らを殺すことでした。




彼女の言っていた通り、とんでもない「意趣返し」ですね。


男が要求したのは余程最低な事だったらしく、それを選ぶくらいなら・・・という事です。
それにしても、なかなかに狂った考えですね。これが、YOUの「狂い方」です。
自分がどうなっても良いや、と投げやりになり、ほとんどの感情を消しました。


そして、物陰では。


カムイがこっそり覗いていたのでした・・・。


『明日は居ない』と言う言葉と『もし急に失踪したら？』と言う質問を重ねて考えたカムイは、嫌な予感を感じ、そっと追いかけて来ていたのです。その結果、かなりショッキングなものを見ることになってしまいましたが・・・。彼の「嫌な予感」は、バッチリ当たってしまったのでした。


そして・・・カムイは、YOUのことが好きだったのです。


ここからカムイも狂い始めていきます。


YOUが死んだため、ここからはカムイsideになります。６話です。


凄惨な光景に思わず声を漏らすと、男にバレました。


男に「誰だ」と聞かれ、その声を聞いてプッツンしてしまったカムイ。激情のままに、男を殺します。
「男だったモノ」と独白している通り、男は原型なく、肉片になってしまいました。え、そう言うショッキングなのはもうちょっとオブラートに包んで言え？・・・うーん、３分クッキング・・・？←


まぁそんな物騒な３分クッキングを終わらせて、YOUの元へと行くカムイ。ここら辺が７話です。


やはり、想い人の死、と言うのはかなりきついのでしょう、彼は泣き叫びます。
そして言った、「そんなに遠くまで行かなくても」という言葉。これは、本編でもあるように、YOUが『追手が来たら絶対撒く』という言葉に基づいています。YOUは天国まで行ってしまったわけですから、「そんなに遠くまで」ですね。生きている人間に、天国まで追いかけることは不可能ですから。


ですが、ここで不思議な現象が起こります。
カムイは闇カムイですから、身体中を闇のオーラが取り巻いています。そのオーラが、YOUにも纏わりつき始めました。
実は、このシーンが書きたくて、カムイ君をわざわざ闇カムイ君にしたんですよw
笑い事じゃないですね、すいません。本編が暗すぎるので、こっちで少しでも明るくしたくて・・・。
え、それにしては文字のフォントがシリアスっぽい？あー、本編に合わせたからですね。
・・・こんな暗い話を解説してる時点で、明るくはならないんじゃないか、って？
・・・返す言葉もございません。


さて、作者の無駄な文字数稼ぎパート２は置いときまして、
そのオーラが取り付いたYOUは、なんと生き返りました。ものすごいどんでん返しです。
ただし、無条件に生き返ったわけでなく、肌は死人のように白く、目は血の様に真っ赤です。まるで死体がそのまま動き出したかのように。そして、一切の記憶を失ってしまいます。でも、カムイの事は覚えているらしく・・・。記憶云々は１０話で明かされています。


そして、８話。場所と目線、時間軸が変わり、NOside（三人称）です。アンナの盛大なため息で、話が始まります。


ここら辺は、前話までと比べれば少し平和ですが・・・やはり、端々に不穏さが滲んでいます。
YOUとカムイが消えてから数ヶ月後の話です。


アンナ達一行は、例の廃墟に再び出掛けます。
今度は、「死霊術師(ネクロマンサー)が住み着いている、そこに行った者は帰ってこない」という噂を解明するためです。
死霊術師とは、読んで字の如く死霊を操る人の事。
シャロンが調べた情報によると、その死霊はどうやらYOUに似ているようで・・・
再び、盛大なフラグを立てていってますね。


アンナは信じたくなくて笑い飛ばしましたが、それは現実となってしまいました・・・。


もうお分かりですよね、廃墟の死霊術師とはカムイの事、死霊はYOUの事です。
正確には、死霊・・・ではなく、死体が蘇った姿、なのですが。


９話で、そんなカムイ達と対面したアンナ。最初は私達と共に帰ろう、と呼び掛け・・・ようとしましたが。


いきなり、YOUに襲われます。記憶を失い、彼女達を忘れたYOUの目には、アンナ達は愛する主人をたぶらかそうとする敵に映ったのでした。


シャロンの呼びかけにも全く耳を貸さず、二人に襲いかかり続けますが、主人であるカムイの命令、もといお願いには応えます。


そして、アンナとカムイの対話。ここからが１０話、ですかね。


カムイはYOUの事を操ってはいない、と言っていますが、彼が無自覚なだけで、YOUはカムイに操られている状態です。理由としては、カムイの闇から力を注ぎこまれ、蘇ったからです。
カムイの言うことだけを聞いていることからも明白ですね。


カムイは、これは自分達の想いが起こした奇跡だ、と語ります。恍惚とした表情を浮かべながら。


そして、YOUが蘇った事、記憶を失った事、自分だけは覚えていた事などを告げます。


心が完全にYOUに依存し、彼女がいないと生きていけない程に愛に溺れたカムイ。そう考えると、カムイの想いが引き起こした、というのもあながち間違いでは無いのかもしれません。


それを見て、アンナは一言。


「・・・狂ってるわ。貴方も、YOUも」


それに、カムイは、


「・・・そうですか」


とだけ返しました。


実質、ここでタイトル回収となったわけです。


そして、物語はカムイの独白で終わります。


「なんて言われようと構わない、でも、僕らの邪魔をするなら、たとえかつての仲間であろうと許さない」

と。


さて、この後、カムイ達とアンナ達はどうなったのでしょうか。


戦った？それとも放置？それとも・・・？


そこは、皆様のご想像にお任せしましょう。








さて、ここまで解説してきましたが、いかがだったでしょうか。


少しでも面白い・・・この話面白いはちょっとアレだな・・・・・・えー、いい話（この表現もどうかと思うけど）だと思った人は是非一番右の星をポチッと、よろしくお願いしますね。


そして、この話の続き等、コメント欄で推測、考察してくれると作者が喜びで吹っ飛びます。出来るだけコメントには返信したいと思いますのでこちらもよろしくね。


それでは、


ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!!


またどこかでお会いしましょう！SeeYou！！