朝陽は昇る。

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　命が一つ、消えていく度に俺は悲しみが止まりません。









　柱の一人だった貴方も、それは同じではなかったのでしょうか。









　煉獄さん。俺は貴方の継子になって、もっと色々教えてもらいたかった。




　強い剣士になれるように、強く生きるために。






　どうしてなんだろう。






　俺が叶えたい夢は…いつも途中、どこかで音を立てて千切れてしまう。




　家族と一緒に居たかっただけなのに。




　皆にも幸せになってほしかったのに。




　…ただ、貴方の継子になりたかっただけなのに。







　『鬼と仲良くなる』





　このままでいるのに、そんな日は本当に来るのですかしのぶさん。




　俺たちが歩み寄っても、向こうは少しも振り向こうとしない。




　それどころか今日もどこかで、人間を殺している。








　…それでも。




　俺たちはそんな日が来ると信じなければいけない。




　どんなに打ちのめされても憎くても、悔しくても。




　鬼が滅殺されるその時まで、剣を取って戦うんだ。









　煉獄さん。




　呼んでも、もう此処にはいないけれど。




　いつも真っ直ぐで、鬼の妹を柱で一番に認めてくれた。




　『自分の命』より『自分の責務』を貫いた。






　俺はそんな貴方がたまらなく、格好良かったです。









　…一つ、誤算でした。





　貴方はいなくなっていない。




　ここにいる。





　俺が、貴方の想いを受け継ぐ。




　柱である、煉獄杏寿郎の『継子』だから。




　『思いこそが永遠、不滅』だから。







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　胸を張って、生きます。









　己の弱さ、不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと









　心を燃やして、歯を食いしばって前を向きます。









　足を止めて蹲っても、時間の流れは止まらない。









　ともに寄り添って悲しんでくれる人はいない。









　俺は、生きます。









　煉獄さん、貴方のように強くあるため…









　俺は、鬼殺隊の『竈門炭治郎』だ。









　貴方の想いは必ず、継子である俺が持っていきますから。









　闇が深くて、深くて、耐えきれそうになくとも。









　俺は耐えてみせます。









　耐えた先で、朝陽が昇ると信じて。









　燃えるこの情熱を、胸に。




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